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音楽フェスを楽しむ間にエネルギーを作る、サステナブルカーポート
ENERGY | 2022.05.23
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音楽フェスで大量に消費される電力
間もなく到来する夏。
夏の楽しみのひとつといえば音楽フェスだが「”太陽”と”人”の力で発電する環境に優しいパーティー」で紹介したように、音楽フェスでは大量の電力が消費されており、決して環境に良いとは言い難いのも事実。
そんな中、オランダのある音楽フェスでは、その消費電力を賄うために、世界最大級の取組みが行われているという。
オランダの音楽フェス「Lowlands Festival」
1993年以降、毎年8月にオランダで開催されている「Lowlands Festival」。毎年5万人以上もの音楽ファンが集まる大型音楽フェスだ。
首都アムステルダム郊外で3日間にわたって開催され、ロックやポップスのスターから、世界的に有名なドラムンベースDJまで、様々なアーティストが出演する。
同フェスは、何年も前から気候変動に配慮したイベント作りに取り組んできたが、消費電力の多さは依然として課題だった。毎年約30万kWhの電力を消費しており、その大半を化石燃料で賄っていたのだ。
ヨーロッパが再生可能エネルギーの導入を進める中で、このフェスも環境に配慮したものにしようと、今回のプロジェクトを開始したという。
世界最大級のソーラーカーポート
Lowlands Festivalでは、フェスによって消費される電力を賄うために世界最大級の「ソーラーカーポート」を設置したのだ。
Largest solar car park in the world opens at Dutch music festival https://t.co/o8HBFelSaz
— Euronews Green (@euronewsgreen) May 11, 2022
1万5千台以上の車を収容できる35万㎡もの駐車場、その屋根として設置されているのは9万枚ものソーラーパネルである。
観客がここに駐車してフェスを楽しんでいる間に、太陽光発電により最大35MWpのエネルギーを生み出すことができるという。これは、計算上はローランド地方の週末の電力消費量約100世帯分、あるいはLowlands Festival100回分の電力に相当する量だそうだ。
さらに、このカーポートのユニークな特徴として、光を通すことができる「二面性のソーラーパネル」を採用しているという点が挙げられる。
この構造により、地面からの反射光までも利用して効率よく発電することができるのだ。
また、地面に太陽が届くことで草を生やすこともできる。カーポートが駐車場として使用されるのは年に数日だけなので、それ以外の期間はなんと羊が放牧されているのだという。土地のトリプル活用だ。
「持続可能な世界実現のために貢献しよう」と考えるきっかけに
現在は、同フェスのほぼすべての電力を太陽光発電でまかなっている。ソーラーカーポートの建設により、Lowlands Festivalはサステナビリティに向けて大きな一歩を踏み出したのだ。
「私たちはフェスティバルの主催者として、未来への希望を持てるように気候変動問題の解決に貢献したいと考えています。このソーラーカーポートの建設により、来場者が、持続可能な世界実現のために何か小さなことからでも貢献しようと考える”きっかけ”になってほしいと願っています。」と、同フェスのディレクターEric van Eerdenburg氏は言う。
2022年のLowlands Festivalは8月19日〜21日にかけて開催。12のステージで構成され、Arlo Parks、Sam Fender、Michael Kiwanukaなど約250組のアーティストが出演する予定だ。
Source :Largest solar car park in the world opens at famous Dutch music festival