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植物由来のカフェテリアメニューで次世代に繋げる「食のバトン」
FOOD | 2022.04.27
地球温暖化や環境汚染に大きく関わっている家畜
普段何気なく食べている「肉」や「乳製品」が実は地球温暖化、森林破壊、水質汚染などさまざまな環境問題と関わっていることをご存知だろうか。
例えば家畜から排出される温室効果ガスは世界の総排出量の約14%を占め、世界中の飛行機・自動車など全ての乗り物から排出される総量に匹敵、または上回る程だそうだ。
また、1kgのステーキ肉を作るためには、飼育や加工の工程において約15,000リットルもの水が必要だとも言われている。
こうした背景から、近年増えてきているのが代替食品を使用した植物由来(プラントベース)の食事。
例えば大豆を用いた代替肉のハンバーガーなどは日本の街中でも見かけるようになってきたが、なんとアメリカでは数百もの大学で植物由来のカフェテリアメニューが導入されることになったという。
Hundreds Of US Colleges And Universities Set To Embrace Plant-Based Cafeteria Menus https://t.co/wpUqlygTkr
— Vegan Future (@veganfuture) April 23, 2022
Sodexo社は、大学カフェテリアメニューの42%を植物由来に
この取組みは、米国動物愛護協会(HSUS)と、仏大手フードサービス業のSodexo社が共同で進めるもの。
Sodexo社は、2025年までに同社の二酸化炭素排出量を34%削減することを目標にしており、その取組みの1つとして大学のカフェテリアメニューの42%を植物由来のものにすることを表明した。
というのも、Sodexo社の二酸化炭素排出量の70%は動物性食品に関連することが明らかになったため。動物性食品を大幅に削減することで、目標達成が可能になると考えたのだ。
「Sodexo社は二酸化炭素排出量削減目標を達成するために必要な取組みを推進し、業界をリードしています。顧客満足度の高い植物由来メニューの考案、レシピの刷新などを進めることで、同社は成功の方程式を見出したのです」とHSUSのKarla Dumas氏は述べている。
「食」を通じて促す、持続可能なライフスタイルへの変化
Sodexo社が目指すのは、自社の二酸化炭素排出量を削減することだけではない。
若い世代が個人のサステナビリティを高める方法のひとつとして、植物由来のライフスタイルを取り入れるきっかけを提供しようとしている。
同社は、カフェテリアのシェフに植物由来のメニュー導入に向けたトレーニングを実施。すでに140の大学が参加しており、利用者からのフィードバックも積極的に受け付けている。利用者の声を反映して定番メニューを決めていくことで、より意識を高めようという狙いだ。
気候変動に立ち向かうには、環境負荷が低い食品生産システムと、従来の肉や乳製品に代わる持続可能な代替食品に切り替えることが現実的な解決策だろう。
それを影響力・発信力が強い「大学生」と結びつけることで、Sodexo社は世の中に大きな変化を起こそうとしているのだ。
次の世代に繋げる、持続可能な「食のバトン」
同社は、米国内のさまざまなカフェテリアや、さらに多くの国々にも植物由来メニューの導入を進めている。
例えばブラジルでは、豆類、穀物、野菜などを豊富に使った郷土料理を、毎年1,000万食分の給食として提供。これは、同国の二酸化炭素排出量を減らすとともに、子どもたちに健康的な食事について教育することも期待されているという。
カフェテリアの「食」を通じて持続可能なライフスタイルを促すSodexo社。同社が食品業界に与える影響は大きく、この取組みは、次世代に繋げる持続可能な「食のバトン」となるだろう。
Source :Hundreds Of US Colleges And Universities Set To Embrace Plant-Based Cafeteria Menus