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環境に優しい観光を目指す新たな取組みー観光カーボンラベル
SOCIAL | 2022.01.12
これまでの記事でも紹介してきたように、あらゆる分野で「環境に優しい」取組みが進められている。
そんな中、観光業界においては「観光カーボンラベル(Tourism Carbon Labels)」の表示が始まっているという。
一体どのような取組みなのだろうか。
Airlines will not currently disclose CO2 data needed to make carbon labelling possible for flights. With a growing number of people wanting to travel more sustainably, it's important this changes so people can be informed about CO2 impacts of their flights https://t.co/3SKirqHUpw
— The Aviation Environment Federation (@The_AEF) July 13, 2021
2020年には食料品やレストランのメニューにカーボンラベルが表示され注目を浴びたが、今、観光ツアーで排出される二酸化炭素を測定し公表する企業が出てきているのだ。
観光業のサプライチェーンは複雑で、二酸化炭素排出量の測定は簡単ではない。
宿泊施設、交通機関、食品、アクティビティ提供企業など多数のパートナーと協力し、1つの旅程の排出量を算出しなければならないためだ。
イギリスの観光会社、Adventure Tours UKもカーボンラベルを表示している企業の一つだが、実際のところ、カーボンラベルが旅行者の意思決定を左右する程の効力を持つのかは定かではないという。
例えば二つのツアーのどちらに参加するか迷っている人が、カーボンラベルを見て排出量が少ない方を選ぶかは分からないのだ。
それでもラベルを表示するのは、環境への意識を高めている旅行者が一定程度いる中、企業が環境への配慮を伝えるための客観的な指標となるからである。
消費者はグリーンウォッシュを行っている可能性のある企業に対し、ますます懐疑的になっている。
「この会社で旅行したことで、自分の役割を果たせた」と実感できる人もいるのだという。
一方で、カーボンラベルが何を意味するのかを理解していない旅行者も多く、その意識を育てるという目的もあるそうだ。
さらに重要なのは、ラベルを表示することで、企業がさらなる排出量削減を目指して積極的に取組む動機付けになるということである。
例えばAdventure Tours UKでは、パートナーと協力してサプライチェーン全体を改善。低エネルギーの宿泊施設の利用を増やし、交通機関の使用を減らすよう、旅程の一部を変更することを検討中だそうだ。また、Dee Valley自然美観地区などと連携し、旅行者1人につき1本の木を植えるプログラムも実施している。
「私たちがすることは全て、二酸化炭素の排出を伴います。しかし、お客様に『これが私たちのカーボンフットプリントです』と言えるようにしたいのです。私たちは、毎年確実に二酸化炭素排出量を減らしていく計画を立てています」と、企業の二酸化炭素排出量測定や削減を支援するecollectiveの創設者、Charlie Cotton氏は言う。
まだ始まったばかりの取り組みだが、多くの企業が賛同していくことで、観光業界における二酸化炭素排出削減への大きな一歩となるかもしれない。
Source :Tourism Carbon Labels Educate Travelers, Motivate Companies to Reduce Emissions