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今あるものから新たな価値を生み出すという、サステナブル
自動車業界ではサステナブルな社会実現に向けてEVの普及を進めているが、ひとえにEVと言ってもアプローチの方法は各社異なり、それぞれ他にはない特徴を備えているから面白い。
とはいえ、EVだけが環境に配慮した車というわけではない。
「自動車をパークレットに改造。動く憩いの場を作った男」や「タクシーで野菜栽培・カエル養殖。蘇るタクシーの墓場 in タイ」では従来のガソリン車を、環境に優しくなるように改造している。
今持っているものに手を加え、新たな価値を生み出すのもまた、サステナブルであると言えるだろう。
今回はインド都市部の庶民の足「オートリキシャ」に、とある工夫をすることで環境に貢献しているドライバーを紹介しよう。
天然のエアコンで車内を涼しくする
インドの乗合タクシー「オートリキシャ」。黄色と緑のオートリキシャは庶民の足として定着しており、ニューデリーではよく見かける光景だ。
しかし、Mahendra Kumar氏が運転するリキシャは、他の多くのリキシャとは一線を画している。
暑さをしのぐために、なんと屋根の上にレタスやトマトなど20種類以上の植物を植え「庭」を作っているのだ。
Meet Delhi’s guerrilla gardener making rickshaws green https://t.co/gBljT4u2Oh
— Euronews Green (@euronewsgreen) May 7, 2022
近年の気候変動により、南アジアでは熱波がより厳しく、より頻繁に起きているという。
インドでは2010年以降、6,500人以上が熱波によって死亡している。また、この3月にはインドの平均最高気温が過去122年間で最も高くなり、ここ数週間、首都ニューデーリーでは気温が45℃を超えている。
Kumar氏は2年ほど前の夏、暑さのピーク時にこのアイディアを思いついたという。
厚手の袋を土台に、屋根に土を撒いて様々な種を蒔く。手間はかからず、1日に2回水をやるだけでいい。
「屋根の上の植物たちが熱の侵入を防いでくれるので車内が涼しくなり、乗客も快適に過ごせるだろうと思ったのです。天然のエアコンみたいなものです」と、彼は述べている。
目も心も楽しませてくれる「動く庭」
彼は環境のために「自分なりの小さな努力」をすることに喜びを感じている。
彼の取組みは、多くのドライバー仲間や、蒸し暑い街に緑を増やしたいと願う地元の人々の関心を集めている。
「素晴らしいアイディアだ。デリーはコンクリートジャングルになってしまい、植物を見かける機会はほとんどない。このようなオートリキシャをもっと走らせる必要がある。目も心も楽しませてくれる」と、道路脇で見ていた歩行者のNaima Jamal氏は述べている。
Source :This rickshaw driver is keeping customers cool with a roof of lettuce and tomatoes