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中心地から離れ、別の景色の中へ
二日目は、小布施の中心地から少し足を伸ばして東側へ。
修景地区とは異なる趣を持った、自然豊かな風景が広がっている。
雁田山の中腹にある浄光寺を目指してみよう。
幽玄な自然の中へ
足を踏み入れる
小布施町は、西を千曲川、南を松川、そして東を雁田山に挟まれている。昨日は町の南西側を回ったので、今日は東に行ってみることにした。町の人のおすすめだったのが、ここ、浄光寺だ。
ここにつながる参道を「薬師通り」という通り、境内には今でも薬師堂がある。かつてこの地に住んだ人々は病を治すためにここへ足を運んだのだという。
見どころはなんといっても、この自然石の石段だ。建立当時の姿を残しながらも正確に刻まれているこの様子は、雁田山の七不思議に数えられているらしい。大きな杉に囲まれ、しんと静まり返った石段を一歩ずつ踏みしめて上がっていく。
頂上に見えているのが、浄光寺の本殿。ひんやりとした山の空気を感じながらもわずかに汗ばんでくる。
時代を超えた人々が
訪れた重み
5分か、10分。石段を登りきると浄光寺の本殿がある。うっそうと茂った森の中に、そこだけ太陽の光が射し込んでいる。
癒やしを求めて薬師堂を目指しやってきた、かつての人々が見ていたものと、いま自分が同じものを見ていると確信できる光景がそこにはあった。
修景地区ではこの町の「文化」を直に感じることができたが、ここにはこの町の「精神」が宿っているように思える。
文化と自然に包まれる
旅の終わり
浄光寺のあたりは高台になっており、りんごやぶどうの畑の向こうに町の全景を見下ろすことができる。
稲作のできない土地に生み出した「小布施栗」というブランド、町の景観と誇りを後世に繋ぐ人々の活動、そして気の遠くなるほど長い年月、町を見守ってきた山と森。モンブランを目当てにこの町にやってきたら、ぜひ1日かけてゆっくりまわってみてほしい。