PLUGO JOURNAL
地元で採れた素材で、その季節にしか楽しめない食を

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地元で採れた素材で、その季節にしか楽しめない食を

夕食の時間。宿泊している「NIPPONIA 小菅源流の村」にあるレストラン「24 SEKKI」で夕食を頂けることに。
「二十四節気」から名がとられたレストラン、自然と期待が高まる。

シェフの腕が光る
繊細で素材の味が楽しめる料理

レストラン「24 SEKKI」では、小菅村で採れた食材をシェフがそのときどきに最高の調理法で提供してくれる。その手つきも、彩りもまた繊細だ。
先ほどまで見て回っていた養魚場、そしてわさび田の景色を思い出しながら、料理がサーブされるのを待つ。

山梨県のブランド川魚「富士の介」で夕食がスタート

シェフが「まずはこれで温まって」と出してくれた生姜が効いた「白菜のスープ」に続いて提供されたのが「小菅村産 炙り富士の介ポテトサラダ手鞠」。富士の介はトラウトサーモンとニジマスの交配種で、山梨県発のブランド川魚だそうだ。サーモンのオイリーな旨味と、ニジマスの爽やかな香りが同時に楽しめる。

ポテトサラダにはマヨネーズ不使用。素材となる卵黄と酢を小菅村産のじゃがいもに絡め、富士の介と一緒に咀嚼することでマヨネーズが完成する仕掛けだ。
ポテトサラダにはマヨネーズ不使用。素材となる卵黄と酢を小菅村産のじゃがいもに絡め、富士の介と一緒に咀嚼することでマヨネーズが完成する仕掛けだ。

1品ずつにシェフの解説付きでストーリーも楽しめるコース料理

コースはその後、昆布〆のイワナを使ったサラダ、小菅村産のヒマラヤヒラタケを使ったソースが添えられた甲州地鶏と進む。
味の良さはもちろん、コースの楽しさを何倍にもしてくれるのが、コースが進むたびにヘッドシェフの鈴木啓泰さんが話してくれる解説だ。小菅村産の食材について、生産者おすすめの食べ方や、なぜ村で作られるようになったか…など話してくれる。

コースの〆は、名産の
わさびと川魚が共演

約2時間をかけて、ゆっくりと楽しんできたコース料理も終盤。デザートの前に提供されたのが「小菅村産 漬け富士の介 昆布だしとわさびの茎炊き込みご飯」だった。
ご飯の熱でわずかに火を通した富士の介を混ぜ込んで頂く。わさびの茎の爽やかな香りとシャキシャキとした歯ごたえも楽しい。昼に見たわさび田の鮮やかな緑と小菅川の清浄な流れが瞼の裏に蘇るようだ。

この日のコースは全10品。地酒やワインも楽しめる。
この日のコースは全10品。地酒やワインも楽しめる。

道の駅で買い込んだ地元食材で長い夜を楽しむ

コース料理をいただいて、今晩の宿である「崖の家」に戻る。キッチンには今日の昼に道の駅で買っておいた食材が待っている。
縞じろうナス、万願寺とうがらし、ヒマラヤヒラタケ、わさび。どれも小菅村産の採れたてだ。村内の醸造所で作っているという地ビールもぬかりなく冷蔵庫で冷えている。さぁ、夜はまだ長い。

夜は地ビールの泡とともに溶けて

縞じろうナスとヒマラヤヒラタケをさっと炒め、焼いた万願寺とうがらしを添えた一皿が完成。アクセントに山わさびを擦ってのせてみた。 ついさっき、たっぷりとコース料理を楽しんだはずなのに、こういうものはついつい別腹になってしまう。地ビールを傾けて、体の芯にあった疲れが溶けていくのを感じながら、秋の長い夜が更けていく。

TRIP ROUTE

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  • A

    源流懐石 24 SEKKI

    〒409-0211 山梨県北都留郡小菅村大久保3155-1

    0428-87-9210

    今回は取材のために「24 SEKKI」で夕食を提供いただきましたが、「崖の家」の宿泊者の夕食は通常、地元食材を使った自炊か出張シェフサービスとなります。

Photographer:
橋本越百 ( Instagram / Website / )

広告制作会社で修行後、フリーランスフォトグラファーへ転身。
名前の”越百”は、山が由来。
アウトドア、民俗学、ミリタリーな物が好き。
ストーリーを込めた風景・人の撮影や、構図を特徴とした商品撮影が多い。

TEXT:
塚岡雄太 ( Twitter / Instagram / Website )

PLUGO JOURNAL編集デスク。趣味はサイクリングと読書で、どこにでも自転車で現れるのでよく人を驚かせる。デジタルガジェットが好きで、IoTを活用したサステナブルな活動に興味を持っている。

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