TRIP
特集
東京から90分
秘境に遊ぶ
「遅い旅」
山梨県 小菅村
四方を山に囲まれ、多摩川の源流が流れる
この村には、700人の村人が
「キャスト」として迎えてくれるホテルがありました。
01
東京から90分 多摩川の源流を持つ小菅村へ
新宿駅から特急電車で約1時間、大月駅から車で30分も走ると今回の旅の目的地である小菅村に到着。
東西南北を山に囲まれたここにあるのは、ただただ圧倒的な静寂。
自分自身も山の一部になったような
大月駅前でハイブリッドカーに乗り換えて国道を走り始めると、すぐに町が遠くなる。
標高はおおよそ東京スカイツリーと同じらしい。ずいぶん高いところにいることになるが、視界いっぱいに広がる森のせいか、そうは感じない。冷たくて清浄な空気が心地よい。
電車からも見えた、あの山々のひとつに自分がいるんだという感覚とともに、曲がりくねった峠道を走る。
築100年超の古民家を利用したコンドミニアム
今回の旅の宿は、「NIPPONIA 小菅 源流の村」。小菅村の古民家を改装してホテルとして観光客を受け入れている。旅館スタイルで大きな建物に複数の部屋がある「大家」と、今回借りることにしたキッチン付きの一軒家をまるごと使えるコンドミニアムスタイルの「崖の家」がある。
レストランでの夕食のあと、地元食材と地元の酒で晩酌をしたい… そんな目論見だ。さっそく中に入ってみよう。
主役は森、な部屋で
デジタルデトックス
部屋に入るとまず迎えてくれるのが、パノラマで迫ってくる森だ。無意識に目は窓の景色に釘付けになる。というのも、実はこの部屋、テレビがないのだ。ただそれだけで、こんなにも景色に目が奪われるものとは思っていなかった。1本1本の木々が持つささいな違いまで見えてくる。ソファに腰掛けて、備え付けのキッチンで淹れたコーヒーを飲みながら森と向き合いつつ、このあとの予定を立てることにした。