
BYDは、手頃な価格と高性能を兼ね備えた電気自動車(以下、EV)を提供し、日本でも注目を集めています。エントリーモデルの「DOLPHIN」は約299万円から、SUVタイプの「ATTO 3」は約418万円から、セダンタイプの「SEAL」は約528万円から購入可能です。
さらに、2026年には日本専用の軽EVモデルの発売も予定されており、実質200万円以下での提供が期待されています。補助金制度を活用すれば、BYDのEVはさらに経済的で実用的な選択肢となるでしょう。
この記事では、BYDの各モデルの価格や特徴、補助金情報、購入時のポイントを解説します。ライフスタイルに合った最適な1台を見つけてください。
BYD|日本でのラインナップ
BYDは、日本市場向けに4車種のEVを展開しています。それぞれに異なるコンセプトや魅力があり、用途やライフスタイルに合わせて選べるのが特徴です。ここでは、そんなBYDの日本向けラインナップ4車種について、それぞれの特長や魅力を紹介します。
車種名 | 車両価格(税込) | 航続距離 | 特徴 |
DOLPHIN | 299万2,000円~ | 400km |
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ATTO3 | 450万円~ | 470km |
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SEAL | 528万円〜 | 575km(AWD)/640km(RWD) |
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SEALION7 | 495万円〜 | 540km(AWD)/590km(RWD) |
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(価格は2025年5月時点の公式サイトによる情報)
2026年後半には軽EVも発表予定
BYDは、現在展開している4車種に加え、2026年後半をめどに日本市場専用の軽EVを投入する予定です。新型軽EVは、約30kWhのバッテリー容量を想定しており、一充電あたりの航続距離は約270kmとなる見込みです。
さらに、補助金を適用した後の実質価格は200万円以下を目指しており、コストパフォーマンスに優れたEVとして注目されています。この価格帯と性能が実現すれば、手頃ながら実用的な軽EVとして、日本市場に新たな選択肢をもたらすことになるでしょう。
BYDのEVはどこが違う?
高い技術力と優れたコストパフォーマンスを強みに、世界的に急成長を遂げているBYDですが、同じEVでも他のメーカーと何が違うのでしょうか。ここでは、バッテリーの自社開発やデザイン性、充実した装備など、BYDならではの魅力や特徴を紹介します。
電池メーカー発祥の技術力
BYDは、1995年に電池メーカーとして中国で設立されました。創業当初は充電式電池の開発・製造を主な事業としていましたが、2003年に自動車業界に本格的に参入し、BEVやPHEVの製造をスタートさせました。
長年にわたって培ってきた電池技術をベースに、EVの中核となるバッテリーをはじめ、モーターや電力制御システムなど、主要なコンポーネントを自社で開発・生産しています。この体制により、高品質とコスト競争力を両立させている点がBYDの大きな強みです。
現在では中国国内にとどまらず、アジア諸国や欧州など世界各地に拠点を拡大し、グローバルな展開を進めています。日本市場には2022年に本格参入を果たし、注目を集めています。
BYD独自の技術ブレードバッテリーを搭載
BYDのEVには、独自開発した「ブレードバッテリー」が搭載されています。バッテリーセルを板状にして隙間なく配置し、熱安定性に優れた構造を実現しました。従来よりも発火リスクが低く、高い安全性と長寿命を両立しています。
さらに、寒冷地での性能低下にも対応した設計となっており、安心して走行が可能です。また、レアメタルの使用量を抑えることで、コスト低減や環境・倫理面でもメリットがあり、EVの普及を後押しする技術として注目されています。
バスやトラックなど商用EVの実績豊富
BYDは乗用車だけでなく、バスやトラックなど商用EVの分野でも世界トップクラスの実績を誇ります。世界各国ですでに2万台以上を納車しました。BYDのEVバスは、多くの業界賞を受賞するなど、高い品質と性能が評価されています。
さらに、EVトラックや物流車両にも注力しており、複数台の車両を保有するフリート運用の企業にとっても最適な選択肢です。日本市場への商用EV参入も予定されており、今後の展開が注目されています。
急速充電規格CHAdeMOに対応
BYDのEVは、日本で広く普及している急速充電規格CHAdeMOに対応しており、外出先でもスムーズに充電が可能です。
さらに、EVの電力を電化製品に供給できるV2L(Vehicle to Load)や、EVの電気と家庭の電気を双方向に活用できるV2H(Vehicle to Home)にも対応しており、災害時やアウトドアでも活躍します。
用語辞典:V2H
用語辞典:V2L
用語辞典:CHAdeMO
BYDのEVで受けられる補助金
BYDのEVは各種補助金の対象で、購入時の負担を大幅に軽減できます。ここでは、購入時に受けられる補助金をまとめました。
CEV補助金
BYDのEVを自家用で新車購入する場合、2025年度のCEV補助金は通常35万円ですが、SEALのRWDモデルに限り45万円が交付されます。
CEV補助金の申請は納車後1ヶ月以内、車両を4年間保有する義務があるなどさまざまな条件があるため、事前に確認しましょう。
地方自治体の補助金
CEV補助金以外にも、お住まいの自治体によってさらに上乗せの補助金が受けられる場合があります。
例えば東京都では、BYD全車種に最大45万円の補助金が用意されています。CEV補助金と合わせると購入価格が最大80万円も下がり、より負担が軽減されるでしょう。
EV購入の補助金は東京都でいくらになる?ガソリン車よりもお得?
今後も期待されるBYDの進化
BYDは、今後も日本市場でEVおよびPHEVのラインアップ拡充を積極的に進めています。2025年のうちにPHEVを投入、2027年までに、BEVとPHEVを合わせて7~8車種が展開される予定です。
他にも、全長9mクラスの中型電気バス「J7」を初披露し、2025年内の納車開始を計画しています。BYDは、EVトラックの導入や、2030年までに累計4,000台のEVバス販売を目指すなど、今後の飛躍が期待されるところです。
これらの進化により、BYDが日本のeモビリティ社会の発展と持続可能な交通インフラの構築に貢献していくと予想されます。
まとめ
BYDは日本でのEVシフトを加速させるため、今後も多彩なモデルを順次投入する計画です。環境性能やユーザーの利便性に配慮した車両を通して、日本の自動車社会が求める新たなモビリティの形を提案します。
また、BYDは全国規模での販売網整備も進めており、2025年末までに100店舗体制の構築を目指しています。これにより、地域を問わず多くの消費者がBYDのEVに触れる機会が生まれ、ブランド認知のさらなる拡大が期待されており、今後の展開にも期待が高まります。
