PLUGO JOURNAL

NEWS

FSDとは?テスラの完全自動運転技術の仕組みと歴史、未来展望をわかりやすく解説

EV | 2025.06.12

SHARE

FSDとは?テスラの完全自動運転技術の仕組みと歴史、未来展望をわかりやすく解説

「テスラのFSDってなに?」「オートパイロットとは違うの?」と疑問に感じる方は多いでしょう。FSDは、テスラが開発している全自動運転技術です。ドライバーが運転をしなくても目的地に到着する技術として、注目を集めています。FSDの技術が進歩すれば、人的ミスによる交通事故防止や移動時間の効率化など、メリットは計り知れません。
そこで本記事では、ドライバーが操作せずとも走行可能な、新しい車の形を実現するFSDについて解説します。加えて、FSD開発の歴史や自動運転のメリットやデメリットについても紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。

FSDとは

FSDとは、テスラが開発・提供している高度な自動運転支援システムです。テスラは、全ての運転操作を自動化する「完全自動運転」の実現を目指しています。2025年6月現在は、高速道路での自動走行や車線変更などの運転操作が自動で行えるまでに機能が進化しました。今後もアップデートを重ね、さらなる自動化の実現に向けて改良が続けられています。

用語集:FSD

テスラが提供する完全自動運転システム

FSDは、「Full Self-Driving」の略で、テスラが開発している完全自動運転機能を指します。ドライバーが操作しなくても、自動で走行する技術で、高速道路の走行や、車線変更、信号や標識の認識、駐車までも車が自動で行う、夢のような技術です。
2025年6月現在、完全な自動運転には至っていませんが、将来的にはドライバーが乗るだけで目的地に到着できると期待されています。
テスラがどのような企業か気になる方は、以下の記事がおすすめです。

テスラ EVの魅力を徹底解剖!ラインナップを一挙公開

目標は全ての運転操作を自動化する「レベル5」

自動運転には1から5までのレベルがあり、テスラFSDは全ての運転操作を自動化するレベル5を目指しています。以下は、自動運転の範囲を示すレベルを表にまとめたものです。

レベル 自動運転の範囲 具体例
レベル5 完全自動運転 すべての場所・状況における完全自動運転(ドライバー不要)
レベル4 特定自動条件下における完全自動運転 無人運転バス
レベル3 条件付き自動運転 高速道路での自動運転モード
レベル2 特定条件下での自動運転機能 車線を維持しながら前の車について走る
レベル1 運転支援 自動ブレーキ・前の車について走る

(参考:国土交通省

レベル5の自動運転では、全ての運転操作を自動化します。FSDの場合は、カメラやレーダーなどのセンサーを組み合わせて、周囲の状況を認識する仕組みです。認識した情報は、AIにより処理されて運転操作を実施します。

オートパイロットとの違い

テスラには、オートパイロット(自動運転)とエンハンストオートパイロット(強化型自動運転)、さらにFSD(完全自動運転)の3種類の自動運転技術があります。
オートパイロットは、同一車線内でハンドル操作や加減速を自動で行う運転支援機能です。ただしドライバーの監視と操作が必要であり、自動運転レベル2に該当します。
オートパイロットが進化したエンハンストオートパイロット(自動運転レベル:レベル2)では、ドライバーの負担はさらに軽減され、車線変更や駐車などの一般的な運転操作がよりスムーズになりました。なお、オートパイロットもエンハンストオートパイロットもハンズフリーの機能ではありません。そのため、常にドライバーのハンドル操作が必要です。

料金プランは買い切りとサブスクの2種類

テスラのFSDは、車を購入時にオプションで買い切る方法か、サブスクリプション型で支払う方法があります。買い切りの場合、日本円で約184万円(※2025年6月時点)で提供されています。サブスクリプションを利用する場合は、月々約1万5,000円かかります。

テスラの自動運転の歴史

イーロン・マスク氏がCEOを務め、世界的に注目を集めているEV事業を手掛けるテスラ。ここでは、テスラの自動運転の歴史を振り返りましょう。

2014年自動運転機能の搭載を発表

テスラは2014年、モデルSに自動運転を可能にする「オートパイロット」の搭載を発表しました。ソフトウェアの無線アップデートにより、自宅にいながら新機能の追加が可能となり、ユーザー体験が大きく進化しました。これがテスラ自動運転開発の大きな転換点です。

2016年全てのモデルに自動運転機能を搭載

2016年、テスラは全モデルへのオートパイロットの搭載を発表。8台のカメラや12基の超音波センサーを備えた第2世代ハードウェアを導入し、360度の周囲認識や高度な運転支援が実現しました。AIチップも自社開発し、さらなる進化を遂げています。

2020年ついにFSDベータ版リリース

2020年10月、テスラは完全自動運転に近いFSD(Full Self-Driving)ベータ版を一部のオーナー向けにリリースしました。現時点ではドライバーの監視が必要ですが、アップグレードを重ねて2025年5月にはバージョン13まで進化し、より高度な自動運転が実現しています。

2024年ロボタクシーがお披露目

2024年10月、テスラはハンドルやペダルのない完全自動運転仕様のロボタクシー「Cybercab(サイバーキャブ)」を発表しました。
※補足:公開=発表に言い換え。サイバーキャブの正式な発表会は2024年10月と報道されています。
実証実験を経て、2026年からの生産・販売開始を目指しています。価格は450万円以下を想定し、今後の詳細発表に注目が集まっています。

自動運転のメリット

FSDをはじめ、自動運転ができる車には、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、大きなメリットを3つ紹介します。

運転不要で目的地に到着できる

自動運転の大きな魅力は、ドライバーが運転せずに目的地へ到着できることです。移動中は読書や映画鑑賞、休憩など自由に時間を使えます。まるでバスやタクシーに乗っている感覚で、出張や観光でも体力を温存できるため、次の行動に集中しやすくなるでしょう。

交通事故が減少する

自動運転の最大のメリットは、交通事故の減少です。交通事故の多くは、わき見運転や判断ミスなどの人的ミスが原因で発生しています。自動運転では、AIのような機械が瞬時に判断するため、人的ミスが減少し、事故そのものが起こりにくい社会へ貢献できるでしょう。

新たなビジネス機会につながる

自動運転の普及は、自動運転タクシーやバス、配送サービスなど新たな産業の創出につながります。高齢者や障害のある方の移動も容易になり、観光や医療、物流など幅広いビジネスチャンスが広がります。雇用創出や社会の利便性が向上するでしょう。

自動運転のデメリット

メリットが多い自動運転ですが、一方でデメリットも存在します。以下では、懸念される2つのデメリットについて紹介します。

事故発生時に責任の所在を判断しにくい

自動運転レベル4以降は、システムが全責任を取るとされていますが、事故の状況によっては、責任の所在が不明確になる可能性があると懸念されています。現在の交通事故同様に、事故の際にトラブルになる可能性が考えられるためです。
2025年5月現在、日本では自動運転車に関する法整備が十分とは言えませんが、今後の普及にあわせて責任の所在を明確にする法制度の整備が期待されています。

ハッキングのリスクがある

FSDのシステムが、悪意を持った何者かにハッキングされた場合、乗車している方に危険が及ぶ可能性があります。自動運転は、通信やGPSの技術によって走行するため、ハッキングされると、車両の制御が奪われ、ドライバーが操作できなくなる可能性があります。今後、対策が強化されれば、誰もがより安全に自動運転を楽しめるようになるでしょう。

FSDが変える車の未来とは?

先進的な自動車メーカーであるテスラが生み出したFSD。FSDは日本でも徐々に普及しています。今後どのような未来を私たちに見せてくれるのでしょうか。

いずれは日本でもFSD解禁に?

日本で普及しているのは自動運転レベル2~3の車です。しかし、技術や法律の整備が進めば、完全自動運転の車が利用できるようになるでしょう。テスラのCEOであるイーロン・マスク氏によれば、日本での展開は未定なものの、中国やヨーロッパでは2025年に展開する予定です。

新たな公共交通機関として期待が高まる

FSDが普及すれば、完全自動運転のロボタクシーやロボバスのように新しい公共交通機関としての役割が期待されるでしょう。現在はまだ構想段階であるものの、埼玉県和光市では、将来的に移動手段が著しく限られる市民が増加することを想定してロボタクシーの実用化を検討しています。
普及には法整備や安全性の確保といった課題もありますが、テスラのFSDの技術が進めば、今後、高齢者や障害のある方にとって新たな移動手段となる可能性があるでしょう。

まとめ

本記事では、テスラが開発しているFSDについて解説しました。FSDは完全自動運転の技術で、現在完全な自動運転には到達していないものの、将来的にはドライバーが運転せずに目的地に到着できることが期待されています。

自動運転には、運転しなくても目的地に着くことや交通事故の減少などメリットが多いものの、事故の責任がどこにあるのか判断しにくいことやハッキングのリスクなどデメリットも存在します。今後は、テスラのFSDにより新しい車の形が生まれ、より便利になるでしょう。

SHARE

recommend

RECOMMEND

EV充電ステーションの
検索から予約・決済まで
アプリで完結

Myプラゴ詳細はこちら

EV充電ステーションの
検索から
予約・決済まで
アプリで完結

Myプラゴ詳細はこちら