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超急速充電で実現するEVライフの進化とメリットとは?

EV充電 | 2025.05.29

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超急速充電で実現するEVライフの進化とメリットとは?

電気自動車(以下、EV)の普及が進むなか、課題となるのが充電時間です。EVの充電課題を解決するため、従来のCHAdeMO規格に基づく急速充電器の出力を上回る、超急速充電器の開発が発表されています。これまでの充電時間を大幅に短縮し、わずかな時間で移動準備が整うこの技術は、EVライフを大きく変える可能性を秘めています。
この記事では、近い将来実現する超急速充電の仕組みや普及の現状をまとめました。EVシフトを検討しているものの、充電時間が気になるという方に役立つ情報をお届けします。EVの新たな可能性を一緒に探ってみましょう。

超急速充電とは?

EV(電気自動車)の普及に伴い、充電時間の短縮が求められるなかで注目されているのが超急速充電です。ここではその仕組みや特徴について解説します。

EV用語辞典:超急速充電

急速充電のなかでもさらに高出力な充電器

EVの充電には、主に普通充電と急速充電の2種類がありますが、超急速充電はそのなかでも特に出力が高い充電方式を指します。
現在、一般的な急速充電器は最大出力が50kW~90kWですが、150kW以上の高出力になると超急速充電と呼ばれます。2025年3月時点では、国内で設置・運用されている急速充電器の最大出力は240kWに達しており、年々その性能は向上している傾向です。
超急速充電はスピーディーな充電が可能になるため、EVの利便性を高める重要な技術といえるでしょう。

超急速充電の現状

超急速充電の普及に向け、国も動き出しています。経済産業省は、2030年までに充電器の台数と合計出力を現在の10倍に増やす方針を発表し、そのなかで充電器の高出力化も明記されています。
特に高速道路で求められるのは、道中での時間を効率的に使える高出力の充電器です。国内でも240kW出力の充電器が販売されていますが、コストや電力供給の問題から現時点では150kWクラスの超急速充電器の設置が進む見込みです。2025年1月からは全国16カ所で最大出力150kWの充電器が本格的に運用されはじめ、充電時間の短縮と利便性の向上が図られています。

超急速充電はEV普及のカギ

超急速充電の拡大は、EV普及のカギとなるでしょう。超急速充電の導入により、充電時間を大幅に短縮できればユーザーの利便性が向上し、EVの利用がさらに広がります。
充電インフラの充実は、EVの開発と同じくらい重要な要素であり、充電ステーションの増加とともに、より迅速に充電できる設備が必要です。
特に、超急速充電が進むことでEVへのシフトを加速できるため、充電時間の短縮とインフラ整備はEV普及に向けて急務となります。 

最大出力350kW!次世代の超急速充電器

e-Mobility Powerと東光高岳は、日本で広く採択されている急速充電規格「CHAdeMO」に対応した、最大出力350kWの超急速充電器を共同で開発することを発表しました。以下に詳細をまとめました。

超急速充電器は2025年中に設置予定

最大出力350kWを実現する次世代の超急速充電器は、よりスピーディーなEVの充電が期待されています。この充電器は、2025年中に設置開始の予定です。
350kW出力の充電器は、欧州、北米、中国、韓国などで進む超急速充電器の拡充に並ぶこととなります。今後、グローバルなEVインフラの充実を支える重要な設備となるでしょう。

超急速充電で充電時間の大幅な短縮化

超急速充電器を使うことで、充電時間を大幅に短縮できます。最大出力350kWの充電器であれば、条件によっては約10分で航続距離400km分の充電が可能とされています。
これにより、長距離移動時のストレスを軽減します。また、超急速充電器は高電圧バッテリーを搭載した電動船舶にも採用が検討され、今後はさまざまな電動モビリティの充電ニーズを満たすでしょう。超急速充電は、未来の移動手段の利便性を大きく向上させる技術です。

新型ケーブルにより操作がスムーズ

高出力の充電器では、充電ケーブルが太く重くなることが課題でしたが、今回開発された超急速充電器は、操作性を大幅に向上させています。
超急速充電器に採用されるのは、3割ほど軽量化された新型充電コネクタと、1割ほど細くなった新型ケーブルです。これにより、重さや取り扱いに不便さを感じることなく、スムーズな操作が可能になります。
また、ケーブルが地面に接触しないマネジメントシステムを搭載し、清潔で効率的な使用が実現されました。さらに、従来のような液冷システムを使わずに高出力化を実現しており、従来の構造で優れた性能を発揮します。
加えて、プラグを充電器に差し込むだけで充電から決済まで完了するプラグアンドチャージ(PnC)機能に対応したセンサーも搭載され、今後の充電スタイルにも対応できる設計です。

超急速充電は中国との共同開発ChaoJiでさらに加速

急速充電の進化は、ChaoJi(チャオジ)規格の導入でさらに加速することが期待されています。ChaoJiは、既存のCHAdeMO規格をベースにした中国の国家標準規格で、最大出力900kWの実現が可能です。
この新しい規格は、充電速度を大幅に向上させ、より短い時間での充電を実現します。日本でもChaoJi規格が普及すれば、既存の充電インフラに追加の性能向上が見込まれ、超高速充電の普及がさらに加速するでしょう。
ChaoJi規格の導入は、EVの利便性向上と充電インフラの拡大を促進し、EVの普及を後押しする重要なステップとなります。
国内で広く採択されている急速充電規格CHAdeMOについては、以下の記事でも解説しています。

CHAdeMOとは?電気自動車(EV)の急速充電規格を徹底解説

知っておきたい超急速充電の課題点

超急速充電は、EVの利便性を大きく向上させる技術ですが、その普及にはいくつかの課題も存在します。ここでは、超急速充電の課題点についてまとめました。

超急速充電に対応しているEVは少数

現在、超急速充電に対応しているEVはまだ少数派です。充電器の高出力に対応するためには、車両側のアップデートも必要になります。
超急速充電器は非常に高出力で、充電に耐えられるバッテリーや充電システムを備えたEVでなければ、効率的に充電することができません。さらに、EVの設計においても、バッテリーの冷却性能や充電ポートの対応能力など、さまざまな技術的な進化が求められます。
今後、この技術に対応するEVが増えることで、超急速充電の利便性が一層向上することが期待されています。

超急速充電器の設置には高電圧が必要

超急速充電器の設置には、従来の充電器に比べて高い電圧が必要です。現在、日本で販売されている急速充電器の多くは出力電圧が450V程度ですが、超急速充電を実現するためには、1000V程度の高電圧が必要となります。
しかし、高電圧の充電に対応するためには、既存の配線や電力網のアップグレードが不可欠です。高出力に耐えられる配線への交換や、電力供給能力の向上が求められるため、充電インフラの整備には大きなコストと技術的な課題があります。

超急速充電器の設置費用が高額

超急速充電器、特に350kWの高出力充電器は、その設置および維持費が非常に高額です。高出力に対応するためには、専用のインフラや高電圧対応の配線、強化された電力供給が必要となり、これらを整備するためのコストは大きな負担となるでしょう。
また、設置場所の選定も重要なポイントです。立地やアクセスのよさを考慮する必要があるため、適切な場所に充電器を設置するには綿密な調整と計画が求められます。
そのため、充電インフラの整備には、自動車メーカーをはじめとする企業や国の協力が不可欠で、コスト負担を共有しながら進めていくことが重要です。

まとめ

超急速充電の実現は、EVへのシフトはさらに加速するでしょう。現在の充電時間を大幅に短縮できれば、ガソリン車と同じ感覚でEVを利用できるようになり、利便性が飛躍的に向上します。
これは、単なる技術革新にとどまらず、未来の持続可能な交通社会を実現するための重要なステップです。超急速充電技術の進展は、環境負荷の低減に貢献し、よりクリーンな社会へと導く力となるでしょう。今後のインフラ整備と技術革新により、EVが主流となる時代の到来が期待されます。

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