タイのバンコクに行ったことがある人であれば、その交通量に一度は驚くことだろう。自動車、バイク、タクシーだけでなく「トゥクトゥク」と呼ばれる特有の乗り物などもある。
しかし、2020年から始まった新型コロナ感染症の拡大によってタクシードライバーの多くは職を失い、バンコクを離れ故郷に帰らざるを得ない状況に陥ってしまった。
そこで問題となるのが主人がいなくなったタクシー。
大量のタクシーが捨てられた「タクシーの墓場」と呼ばれる場所すらある。
そこでThe Ratchapruek Taxi Cooperative(ラチャプルーク・タクシー協同組合)では、タクシーの屋根で野菜を栽培したり、放置されたタイヤでカエルを養殖しようと試みている。
Thai taxi graveyard turned into vegetable garden as pandemic prolongs. #AFP
📸 @JackWynTaylor pic.twitter.com/Fb4oZMoa8r— AFP Photo (@AFPphoto) September 15, 2021
「これが私たちの最後の選択肢です」と、オーナーの1人であるThapakorn Assawalertkun氏は述べ、多くの車には多額のローンが残っていることを付け加えた。
この取り組みは、コロナで職を失ったドライバーや従業員の食料を確保するために始まった。ナス、唐辛子、キュウリ、ツルニンジン、バジル、そしてカエルなどが栽培、養殖されており、収穫量が多ければ余剰分は地元の市場で販売する予定なのだという。
「屋根の上で野菜を育てても、ほとんどのタクシーは修復不可能なほど傷んでいるので、ダメージにはならない。エンジンは壊れているし、タイヤはパンクしており、手の施しようがありません」とThapakorn氏は述べている。
これまでタイのGDPの11〜12%は海外からの観光客によって占められていた。しかしコロナによる厳しい入国制限の結果、83%も減少した。
2019年の12月には400万人近くの外国人観光客がタイを訪れている。2020年12月に受け入れられた数は6,000人ほどで、前年同月比ではなんと99.8%減。これがどれほどタイの経済、人々の生活に影響を与えたのかは想像を絶するほどだ。
The Ratchapruek Taxi Cooperativeのような取り組みは、この困難な時期に失業した労働者が食料を確保するための鍵となることだろう。
Source :Bangkok’s taxi graveyard brought back to life with mini-gardens