
「BEV・PHEV・FCEV・HEVって何?」、「環境に良いと聞くけど違いがわからない」と感じている方は多いでしょう。BEV・PHEV・FCEV・HEVは電動車と言われます。それぞれ電気や水素などを燃料とし、CO2排出量を少なくまたはゼロに抑えて走行できる車です。
当記事では、初心者の方にもわかりやすく、BEV・PHEV・FCEV・HEVの特徴をまとめました。また、それぞれの電動車に適したライフスタイルもご紹介します。
電動車をまとめてEVと呼ぶ
環境に配慮され、エンジンだけに頼らず走行する車を広く「電動車」と呼びます。電動車は主に以下の4種類があります。
EVの種類 | 特徴 |
BEV | エンジンがなく電気だけで走行する車 |
PHEV | エンジンとモーター共に使用できる車外部充電が行える |
FCEV | 水素を使用して走行する車 |
HEV | エンジンとモーター共に使用できる車外部充電ができずガソリン車に使用感が近い |
ここでは、EVそれぞれの特徴と向いている人を紹介します。
BEV:電気自動車
BEVはガソリンを使用せず電気だけで走行する車です。EVやバッテリーEV、電気自動車と呼ばれることもあります。
特徴
BEVとは「Battery Electric Vehicle(バッテリー式電気自動車)」の略です。エンジンの代わりにモーターが使用され、ガソリンの代わりに電気の力で走行します。2025年1月現在、販売されている主な車種は以下のとおりです。
※価格は2025/2/18現在
車種 | 価格(税別) |
テスラ:Model3 RWD | 483万0,000円~ |
スバル:SOLTERRA | 570万円~ |
日産:アリア | 599万1,000円~ |
日産:サクラ X | 236万3,000円~ |
三菱:eKクロス EV | 233万5,000円~ |
BEVの維持費が低いとされています。使用する電気代がガソリン代よりも割安になるケースが多いからです。自宅に充電器を設置すれば、でかけることなく家電感覚で充電できるという魅力もあります。
ただし、PHEVやHEVなどの電動車やガソリン車と比べると、BEVのフル充電あたりの航続距離は短く、こまめな充電が必要です。BEVとガソリン車の平均的な航続距離を比較します。
車種 | 航続距離 |
ガソリン車 (日産:ノート X) |
1022.4km (燃費消費率WLTCモード28.4km/L×タンク容量36L) |
BEV (日産:リーフe+) |
450km (燃費消費率WLTCモード、60kWhバッテリー搭載) |
また、BEVについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
BEVとは?仕組みとガソリン車やHEV・PHEVとの違いも解説
向いている人
BEVは、車両価格が高くても、トータルコストを考えて、車の維持費を抑えたいという方におすすめです。また、自宅付近に充電ステーションがある方や、自宅に充電設備が設置できる方は使い勝手が良いでしょう。
もし、お住まいのマンションに充電設備がないものの、BEVの購入を検討している方は以下の記事をチェックしてみてください。
マンションにEV充電器がなくても大丈夫!充電問題を解決する方法を解説
PHEV:プラグインハイブリッド車
PHEVはガソリンと電気の両方を使用して走行する車です。PHVやプラグインハイブリッド車と呼ばれることもあります。
特徴
PHEVは、動力にエンジンとモーターの2つを持ち、かつ、外部充電が行える車です。「Plug-in Hybrid Electric Vehicle(プラグインハイブリッド車)」の頭文字をとってPHEVと呼ばれます。電気を消費してしまっても、ガソリンも燃料になるため、電欠の不安が少ないことがメリットといえるでしょう。
2025年1月現在販売されている主な車種は、以下のとおりです。
※価格は2025/2/14現在
主な車種 | 価格(税別) |
マツダ:CX-60 PHEV Premium Modern | 587万5,000円~ |
三菱:アウトランダー PHEV | 478万5,000円~ |
Jeep:Renegade 4xe | 577万2,727円~ |
メルセデス・ベンツ:C 350 e スポーツ | 904万5,455円~ |
ただし、電力の走行に偏り、ガソリン車の機能を半年以上放置してしまうとガソリンが劣化するため注意しましょう。定期的にガソリンを使用したり、燃料を入れた日をメモしたりと対策が必要です。
PHEVについて詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
PHEVとは?EVやハイブリッド車との違いやメリット・デメリットを解説
向いている人
長距離ドライブが好きで、BEVの電欠に不安を感じる方はPHEVがおすすめです。また、BEV同様に自宅やマンションなどで充電設備を設置できる、または自宅付近に充電ステーションがあると不便を感じずに利用できるでしょう。
FCEV:燃料電気自動車
FCEVは、水素を燃料とて走行する車です。FCVと呼ばれる場合もあります。
特徴
FCEVは、水素と酸素によって電気を発生させる燃料電池を搭載しています。そのため、エンジンを搭載しておらず、CO2を排出しません。「Fuel Cell Electric Vehicle(燃料電気自動車)」の頭文字をとってFCEVと呼ばれます。
2025年1月現在販売されている主な車種は、以下のとおりです。
※価格は2025/2/18現在
主な車種 | 価格(税別) |
Hyundai:ネッソ | 706万2,091円~ |
ホンダ:CR-V e:FCEV | 735万9,000円~ |
FCEVは電動車でありながら、ガソリン車と同等の航続距離を走行できます。また、燃料の水素を補給するのにかかる平均時間が3分と短いのも特徴です。一方、車両価格がガソリン車やBEVよりも高額になりがちな点や、水素ステーションの数が少ないといったデメリットもあります。
向いている人
環境性能が優れている車に乗りたい方にFCEVはぴったりです。FCEVはCO2を一切排出せず、走行中の排出は水のみです。
自宅や職場などの近くに水素ステーションがある、または設置可能な方は、検討してみてはいかがでしょうか。
HEV:ハイブリッド車
HEVとはエンジンとモーターを兼ね備え、エンジンで発電させることで外部充電が不要な車です。HVやハイブリッド車と呼ばれることもあります。
特徴
HEVとは「Hybrid Electric Vehicle(ハイブリッド車)」の略です。エンジンとモーターを兼ね備えているため、ハイブリッドという名前がついています。
2025年1月現在販売されている車種の一部を紹介します。
※価格は2025/2/18現在
販売中の車種 | 価格(税別) |
ホンダ:FIT e:HEV | 194万4,000円~ |
ホンダ:VEZEL e:HEV | 262万6,000円 |
マツダ:CX-60 XD-HYBRID | 518万2,000円~ |
主にエンジンが発電したエネルギーを電気に変えるシリーズ方式、エンジンとモーターを使い分けるスプリット方式、エンジン主体で走行してモーターでサポートするパラレル方式の3つがあります。
HEVは、ガソリン車に近いと同じ形で燃料補給が可能です。従来のガソリン車のようにガソリンスタンドへ行き、給油します。
向いている人
HEVは、ガソリン車と変わらない使用感で、燃料補給に時間がかからないほうがよいという方に向いています。長距離ドライブが多く、BEVの航続距離では不安があるという方にもぴったりです。
環境に配慮されたEVが今後のトレンド?
日本政府が2020年に発表した「カーボンニュートラル宣言」の影響を受け、国内自動車メーカー各社から環境に配慮されたEVが続々と登場しています。ここでは、今後のEV普及の方向性をまとめました。
2035年に国内でガソリン車の新車販売が禁止される
2021年に当時の内閣総理大臣が「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と具体的な時期について触れました。これは、2020年に日本政府が発表した「カーボンニュートラル宣言」内に書かれた内容に対する具体的な方針です。
カーボンニュートラル宣言では、温室効果ガスの排出量削減を掲げています。これにより、環境問題の解決に向けて、電動車を販売する取り組みが進んでいます。
東京都では2030年にガソリン車の販売が禁止に
東京都は日本のなかでも先駆けて、2030年にはガソリン車の新車販売をしないことを目指しています。
2022年に「2030年カーボンハーフに向けた取組の加速 -Fast forward to “Carbon Half”」が策定され、2030年までに乗用車の新車販売を100%非ガソリン化にすると明記されました。
なお、この取り組みの中には、EVのためのインフラの整備として急速充電器を1,000基、水素ステーションの整備150カ所にする目標も掲げています。
まとめ
当記事では、BEV・PHEV・FCEV・HEVのそれぞれの特徴や向いている人について紹介しました。それぞれの違いやメリットデメリットについて理解できれば、自分に合ったタイプの車が見つかりやすくなるでしょう。
今後は時代の流れに沿って、徐々に電動車が主流になる兆しです。BEVやPHEVを購入する際は、スムーズに充電できる「Myプラゴ」を利用してみませんか。スマートフォンひとつで、充電が完結するサービスをぜひご検討ください。
