電気自動車(以下:EV)を検討した際、どの車種を選ぶか悩む人は多いのではないでしょうか。
2010年に量産型EVの日産リーフが発売されて以来、続々と新しいEVのモデルが展開されています。全国EV販売台数トップに2年連続で輝いた初の軽EV 日産サクラや、商用EVのホンダN-VAN e:、SUVのスバルソルテラなど、EVのコンセプトもさまざまです。国内自動車メーカーは、各社とも環境配慮への取り組みとしてEV開発に積極的な姿勢を見せています。
当記事では国産EVのおすすめ車種を紹介し、それぞれの特徴に迫ります。国産EVは、世界に誇る高い技術力、品質、環境への配慮が魅力です。そして何より、日本がガソリン車の開発で培ったユーザー目線のユーティリティがちりばめられています。ご自分に合うEVはどんなモデルかチェックしてみましょう。
国産EV|日本ならではの魅力
日本の自動車産業は、長年にわたり世界をリードしてきました。現在も環境に優しい次世代の車、EVの開発に向けて着実に前進しています。ここでは、国産EVならではの魅力を紹介します。
安全性能
国産車の安全性能は、世界的に高い評価を受けています。ドライバーの技術だけでなく車両のセーフティサポートがあれば、運転はさらに楽しく安全なものになるでしょう。国産車を代表する安全性能には、以下が挙げられます。
車種名 |
安全機能 |
日産 Pro PILOT |
高速道路で車速を自動調整し、一定の車間距離を保ちながら車線内の走行を支援する機能。 |
ホンダ Honda SENSING |
前方衝突のリスクを減らす「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」や、ドライバーの注意力が低下したと判断された際に警告を発する「ドライバー注意モニター」などを搭載。 |
スバル アイサイト |
カメラ技術を活用した運転支援システム。車両や歩行者、障害物を正確に認識し、自動でブレーキを作動させる。 |
マツダ iーACTIVSENSE |
アダプティブLEDヘッドライト(ALH)や、車線逸脱警報システム(LDWS)、360度ビューモニターなど、多彩な安全機能を搭載。 |
日本の道路に合わせた仕様
国産EVは、日本で乗りやすい仕様に設計されています。近年は、輸入車EVも左側通行の日本に合わせて右ハンドル車になっていることがほとんどです。しかし、ウィンカーレバーが左側のままになっている輸入車は多くあります。
中国のBYD、韓国のヒョンデのEVは輸入車で、自国では左ハンドル仕様です。日本で販売するEVはウィンカーを右側に仕様変更して、日本の公道を走るユーザーに向けた配慮をしています。
メンテナンス性のよさ
テスラやヒョンデなど、店舗を設けずにオンラインでEVを販売するメーカーが増えてきました。メンテナンスもオンラインで依頼します。すべてがオンラインで完結する新しい時代の販売方法と言えるでしょう。
これに対し、国産EVはカーディーラーでの対面販売が主流です。トラブルが発生した際にディーラーでメンテナンスが受けられることや、交換が必要なパーツも入手しやすいなど、対面販売のメリットは多くあります。オンラインになじみのない世代でも安心です。
国産EV|おすすめ車種7選
国産EVの魅力は前項で挙げたとおりですが、ここでは日本が誇るおすすめ国産EVを7車種ご紹介します。
メーカー |
モデル |
価格 |
バッテリー容量 |
航続距離 |
特徴 |
スバル |
ソルテラ |
627万円~ | 71.4kWh | 567km(FWD)/542km(AWD) | トヨタと共同開発したSUVタイプのEV。 |
日産 |
アリア |
659万円~ | 66~91kWh | 460~640km | SUVタイプのEV。 |
日産 |
サクラ |
259万9,300円~ | 20kWh | 180km | 日本で最も売れている軽EV。 |
日産 |
リーフ |
408万1,000円~ | 40~62kWh | 322km~450km | 発売は2010年、世界初の量産EV。 |
ホンダ |
N-VAN e: |
269万9,000円~ | 29.6kWh | 246km | 軽貨物N-vanのEV。サブスクサービスHONDA ON限定モデルもある。 |
マツダ |
MXー30 eーSYKACTIV EV |
451万円~ | 35.5kWh | 256km | バッテリー容量35.5kWhは、欧州での使用を想定し、CO2排出量がディーゼル車以下となるように設定した |
三菱 |
ekクロスEV |
256万8,500円~ | 20kWh | 180km | ekクロスをベースにしたEV。日産サクラとは兄弟車になる。 |
国産EVミニカー|おすすめ3選
EVミニカーとは、小型電気自動車のことを指します。EVミニカーは少人数、近距離の移動に特化した機能性と、経済性も兼ね備えていることが特徴です。原動機付自転車の扱いになるため、車検が不要で維持費も抑えられます。ここでは国内で販売されているメーカーとEVミニカーを紹介します
タジマモーターコーポレーション
タジマモーターコーポレーションは、EVのほかに競技用自動車やパーツの設計をしている会社です。輸入車の正規ディーラーにもなっています。
タジマ・ジャイアン
- 159万5,000円~
- 10kWh
- 130km(リチウム電池)
- 近距離移動に最適化した2人乗り超小型EV。
KGモーターズ
KGモーターズは、広島に拠点を置く2022年創業の会社です。小型モビリティロボットで持続可能な移動の実現を目指しています。
mibot
- 100万円(税込)
- 7.68kWh
- 100km
- 1人乗り短距離移動に特化した超小型EV。100V充電のみ。
タケオカ自動車
タケオカ自動車は、富山県にある自動車メーカーです。EVの製造・販売をしています。
Lala
- 167万6,000円~
- 11kWh
- 120km(リチウムイオン電池)
- 豊富なカラーバリエーションが魅力の1人乗り超小型EV。
国産EVのこれから|暮らしに欠かせない存在へ
2024年、世界でのEV普及率は18%となっています。そのうち日本国内でのEVシェアは、EVとPHEVを合わせて2.6%です(2024年8月時点)。
日本では、2035年までに新車販売を占める電動車を100%にする目標を掲げています。さらなる普及を促進するため、補助金やインフラの充実を進める試みです。ここでは、EV普及に向けての取り組みを解説します。
国内メーカーはEV開発に意欲的
ホンダは2030年までに「新車販売の5割をEVに、2040年までに新車販売のすべてをEVとFCEV(燃料電池車)にする」と提唱しています。日産も電動化推進を長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の中核とし、車両の電動化と技術革新をさらに加速させる方針です。国内自動車メーカーは意欲的にEV開発に取り組んでいることがわかります。
EVの開発は、EVのエネルギーとなる電池の開発に通じるといえ、自動車メーカーは新しい電池の開発にも積極的です。国内自動車メーカー各社は2030年ごろに向けて、リチウムイオン電池よりも短い充電時間で長い航続距離を可能にする全固体電池の研究に乗り出しています。
補助金の交付も充実
補助金の交付は、EV購入の大きな後押しになると言えるでしょう。2024年のEV補助金は、 CEV補助金という国からの補助金が最大85万円交付されます。さらにお住まいの自治体から補助金が交付される可能性もあります。次年度以降の補助金は、2025年3月頃に予算が成立する見込みです。
EV購入のお金のメリット:最新の税制優遇・補助金情報と賢い活用術
充電器の設置数も拡大中
現在は全国に普通充電・急速充電あわせて4万口を超える<taEV充電器が設置されています。経済産業省は、EV充電器を2030年までに30万口まで増やす目標を掲げました。EVをとりまくインフラはさらに充実し、ユーザーがますます利用しやすい環境になるといえるでしょう。
まとめ
国産EVは、日本ならではの高い技術力と安心の品質で環境改善の取り組みに貢献できる選択肢です。また今後もラインナップの充実やインフラの整備が進み、さらにEVが使いやすい環境になるといえます。日本の技術が生んだ国産EVで、新しいカーライフを送ってみませんか?