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EVを販売している企業のなかでも、一際異彩を放つテスラ。「なぜテスラは人気なのだろう?」「テスラのEVの魅力って一体何?」という疑問を持っている方は多いでしょう。テスラのEVには、先進技術や高級感といった魅力があふれています。
この記事では、テスラが販売しているEVの魅力やラインナップを紹介します。テスラがどのような会社なのかや、購入するときの流れなどもあわせて解説するため、ぜひ最後までご覧ください。
EVで知られるテスラってどんな会社?
テスラは、EVのイメージが強い会社ですが、バッテリーや太陽光発電システムも手掛けています。また、共同創業者兼CEOをイーロン・マスク氏が務めている点も、話題になる理由の一つです。
| 会社名 | Tesla, Inc. |
| 設立 | 2003年7月 |
| 本社 | アメリカ・テキサス州 |
| 事業内容 | ・太陽光発電システム ・バッテリー ・EV製造 |
アメリカで生まれ、EVの先駆けとして知られるテスラについて、深掘りして見ていきましょう。
EVと太陽光の事業を展開
テスラは、「世界の持続可能なエネルギーへの移行を加速させること」を自社のミッションとして、EVや太陽エネルギー関連サービスを生み出している会社です。EVのイメージが強いのは、テスラの売上高のうち85.2%が自動車部門であるからでしょう。
自社の太陽光パネルや家庭用蓄電池を組み合わせることで、再生可能エネルギーの利用を最大化し、クリーンな電力でEVを充電できる仕組みを実現しています。さらに新車の販売だけでなく、中古車の販売も実施しています。
2024年の売上は約976億ドル
テスラの2024年の売上高は約976億ドルで、PHEVを含むEVの売上は世界2位となるトップ会社です。テスラは2019年まで赤字が続いていたものの、2020年以降右肩上がりで業績を上げています。
アメリカの会社ながら中国でも売上を伸ばし、2024年には60万台近くのEVを販売しました。
出展元:ロイター
独自のコンセプト
創業時から「テクノロジー企業の側面も持つ自動車製造企業」というテーマを掲げていたテスラは、エンジンを完全にコンセプトから外しています。バッテリーやソフトウエア、独自のモーターなどを中心に事業を展開してきました。
また、オンラインでEVを購入できるのも大きな特徴です。ディーラーを介さずに販売すれば、利益率も上がるためでしょう。

テスラのEVの魅力
アメリカからスタートし、世界を股にかけ活躍するテスラのEVには、様々な魅力があります。ここでは、テスラEVの魅力である先端技術や高級感について解説します。
先進技術を駆使している
テスラのEVは先進技術を駆使しているため、航続距離が長く、EVのデメリットを払拭しています。具体的には、東京から大阪までを充電なしで走れる航続距離が特徴です。
また、航続距離の長さだけでなく、加速力がある点や、多くの状況下で完全自動運転が可能という点もポイントです。高速道路での自動走行や車線変更が行える自動運転支援システム(FSD)にも注目が集まっています。
また、テスラについているソフトウエアは最新のものに常にアップデートできるため、各種システムが日々更新できます。なお、FSDについては、以下の記事でまとめているため、気になる方はご確認ください。
内部リンク:FSDとは?テスラの完全自動運転技術の仕組みと歴史、未来展望をわかりやすく解説
高級感がある
テスラ=高級車というイメージがある方も多いです。最初に販売された「ロードスター」が1,000万円を超えていたことがその要因でしょう。実際、テスラには1,500万円を超える高級モデルもありますが、購入しやすい500万円台のモデルが登場しています。
また、テスラの近未来的なビジュアルに惹かれる方も大勢います。インパネ中央にある大画面モニターもその一つです。ボタン類を大幅に削減し、スマートフォンのような直感操作を可能にしています。未来を彷彿とさせるそのデザインに、魅力を感じる方は多いでしょう。
スーパーチャージャーで高速充電
テスラ専用の充電ステーションスポットである「スーパーチャージャー」は、世界各地で整備されています。EVと充電器の両方を自社で製造することで、それぞれの特性を把握し、最適な充電方式を一貫して設計・提供することが可能です。その結果、充電効率が高まり、スピーディな充電を実現できます。
圧倒的な充電速度
スーパーチャージャーの最大の特徴は、高出力で短時間に多くの電力を供給できる点です。最新型(V3)では15分で最大322km分(Model S)、282km分(Model 3/Model X)、261km分(Model Y)の電力をチャージでき、V4では最大350kWというさらに高い出力も実現しています。ただし、モデルによっては受電に上限があるため注意しましょう。
日本で広く採用されている充電器、CHAdeMOの出力は50〜90kWが一般的ですが、スーパーチャージャーは最大250〜350kWと5倍以上の電力を出力可能です。この速さにより、長距離ドライブの利便性やEV生活の快適さが劇的に向上しています。
プラグアンドチャージを実現
スーパーチャージャーの使い方は非常にシンプルで、「プラグアンドチャージ(PnC)」方式です。プラグアンドチャージとは、車を駐車してケーブルを差し込むだけで認証や決済が自動で行われ、充電が即開始される仕組みです。専用のカードやアプリ操作を別途必要とせず、すべて車両と充電器間が自動で通信して最適な電力供給を調整できます。
料金も登録済みのクレジットカードから自動的に決済されるため、ガソリンスタンド以上の手軽さを感じられる設計です。プラグアンドチャージについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてください。
世界各国に設置されている
テスラは、世界中に充電インフラを積極的に展開しており、2025年時点で100カ国超、7万基以上のスーパーチャージャーが稼働しています。GoGoEVによれば、2025年7月現在、日本のスーパーチャージャー設置台数は1,006台です。(※設置基数は充電器本体の数、設置口数は使える充電コネクターの数を指します。)
スーパーチャージャーは、SA・PA(サービスエリア・パーキングエリア)・都市部・観光地等へ集中設置されているため、長距離ドライブや旅行でも安心して利用できるでしょう。現在もスーパーチャージャー設置台数は拡大し続けており、今後もさらに多くの国や地域でEVユーザーをサポートする体制強化が進められる見込みです。
テスラのEVラインナップ
テスラのEVラインナップは、以下の通りです。
①Model S
②Model 3
③Model X
④Model Y
⑤CYBERTRUCK
2025年8月現在、Model S及びModel X、CYBERTRUCKは、日本市場向けの販売を停止しています。
①Model S
Model Sは、セダンタイプのEVです。テスラのなかでも高級モデルと位置付けられ、基本性能が非常に高いという特徴があります。
| 新車価格 | 1,266万9,000円~ |
| 航続距離 | 600km |
| サイズ | 全長:4,970mm 全高:1,445mm 全幅:2,189mm |
| 乗車定員 | 5名 |
(価格は2025年8月時点、公式サイトによるもの)
Model Sは、スポーティーかつ、アメリカンなサイズです。トリプルモーターを採用しており、1,020馬力でトルク1330Nmと力強い走りを実現します。加速のためにかかる時間が2.1秒と早い点も魅力です。
しかし、2025年3月に日本市場向けへの生産を終了しており、2025年8月現在は左ハンドルのみ生産されています。
②Model 3
テスラのなかでは最も手ごろな500万円台から購入できるエントリーモデルがModel 3です。
| 新車価格 | 531万3,000円~ |
| 航続距離 | 706km |
| サイズ | 全長:4,720mm 全高:1,441mm 全幅:2,089mm |
| 乗車定員 | 5名 |
(価格は2025年8月時点、公式サイトによるもの)
街中でもよく見かけるModel 3は、前方だけでなく後方にもエンターテインメントの向上としてディスプレイがついており、ファミリー層にも向いています。コックピットは、タッチパネルとハンドルのみのシンプルな仕様でテスラらしさがあります。
以下の記事では、Model 3について深掘り調査をしました。購入を検討している方は、ぜひご確認ください。
内部リンク:テスラ モデル3の実質価格とは?総額・補助金・維持費まで徹底解説
③Model X
Model Xは、テスラの最高級モデルSUVで、唯一3列目のあるモデルです。
| 新車価格 | 1,416万9,000円~ |
| 航続距離 | 543km |
| サイズ | 全長:5,057mm 全高:1,680mm 全幅:2,271mm |
| 乗車定員 | 7名 |
(価格は2025年8月時点、公式サイトによるもの)
Model Xのリアドアには「ファルコンウィングドア」を採用しているため、扉ごと上部に上がり荷物を簡単に積み込めます。テスラ車はエンジンを積まないフロント部分も荷室になるため、2,300 kgもの荷物を載せられるのも魅力です。加えて、国産車にはない大きなサイズながら、加速力も兼ね備えている1台です。
なお、Model 3同様に、2025年3月に日本市場向けへの生産を終了しています。2025年8月現在生産されているのは、左ハンドルのみです。
④Model Y
Model Yは、ミドルサイズのSUVを検討している方にぴったりです。
| 新車価格 | 533万7,000円~ |
| 航続距離 | 605km |
| サイズ | 全長:4,751mm 全高:1,624mm 全幅:2,129mm |
| 乗車定員 | 5名 |
(価格は2025年8月時点、公式サイトによるもの)
Model Yは、横転リスクの低減、乗員の保護性能を向上するよう設計されています。また、車の前方と後方にトランクがあり、収納2,158Lと抜群の収容力も魅力です。家具を運ぶときや、スキーやキャンプなどのレジャーでも活躍するでしょう。加えて、馬力456 HP、トルク 650Nmでハイパフォーマンスという魅力もあります。
⑤CYBERTRUCK
CYBERTRUCKは、近未来を思わせる、直線を意識したデザインのピックアップトラックです。
| 新車価格 | 7,330,000円~ |
| 航続距離 | 547km |
| サイズ | 全長:5,682.9mm 全高:1,790.8mm 全幅:2,413.3mm |
| 乗車定員 | 6名 |
(価格は2025年8月時点、公式サイトによるもの)
高硬度ステンレス鋼で作られた「ウルトラハードステンレススチールエクソスケルトン」や頑丈な「アーマーガラス」を採用しています。サイズも大きく、究極の備えができる1台です。
ただし、2025年8月現在、日本の安全基準を満たしていないため、国内での販売はされていません。

EVの世界を変えたテスラの軌跡
EV業界をリードしてきたテスラ。ここでは、そんなテスラはどのような軌跡をたどってきたのか紹介します。
2003年:テスラ誕生の背景と創業
2003年、エンジニアのマーティン・エバーハードとマーク・ターペニングによってアメリカ・デラウェア州で「テスラモーターズ」が設立されました。持続可能な交通手段の実現を目指し、リチウムイオン電池を搭載した高性能電気自動車、のちのEVの開発に挑戦します。
2004年にはイーロン・マスク氏が資金提供と経営支援で参画し、テスラの成長をリードします。
2008年:世界初の量産型「Roadster」を販売
2008年にテスラは初の量産型EVスポーツカー「テスラ・ロードスター」を発売しました。このモデルは、英国のロータス・エリーゼのシャシーをベースに開発され、リチウムイオン電池を使った初の量産EVとして開発されたモデルです。1回の充電で約320km以上走行可能な性能を持ち、EV市場に衝撃を与えました。
ロードスターの第1号はイーロン・マスク氏が購入し、知名度を急上昇させました。その後、1000万円を超える高級車ながら、約2,450台が世界30カ国以上で販売され、ハリウッド俳優など著名人にも多く支持されています。
2010年以降:本格的に普及し大型の提携を開始
2010年にはNASDAQ市場に株式公開し、その後はパナソニックやメルセデスベンツの親会社ダイムラーとの提携を経て、バッテリー技術と量産体制を強化していきます。
2012年のモデルS発売で高性能な高級セダンEVとしての地位を確立し、スーパーチャージャーネットワークも展開を開始しました。2015年には7人乗りSUVのModel Xを投入し、多様な車種展開へと拡大します。
2017年:社名を変更しエネルギーテクノロジー企業へシフト
2017年、テスラは自動車メーカーから脱却し「Tesla, Inc.」に社名変更します。太陽光発電・大型蓄電池事業を含むエネルギーカンパニーとしての戦略を明確化し、Model 3を通じて大量生産と普及価格帯EV市場への本格参入を果たしました。
この変革により、持続可能なエネルギー社会の推進に一層注力し始めます。
現在:売上を伸ばし世界の大企業へ
2020年代に入ると、グローバル生産拠点(上海ギガファクトリーなど)を拡充し、モデルYの発売でさらなる市場拡大を実現します。2024年の売上は約976億ドルに達し、世界企業売上額で9位にランクインしました。
テスラはEV市場のトップブランドとして、日本を含む世界の主要市場で影響力を持つ大企業に成長しています。
テスラの未来とは?今後の展望に注目
テスラの歴史を振り返りましたが、今後についても気になる方は多いでしょう。ここでは、テスラが発表している今後の展望について解説します。
2026年にモデルX改良版が登場予定
2025年6月、テスラは現在新車販売を停止しているモデルXを、新型モデルとして大幅改良することを発表しました。テスラ最高級モデルのSUVであるモデルXの改良版の登場に注目が集まっています。
今回のアップデートでは、航続距離の向上や室内の快適性・静粛性、安全性能の進化などが盛り込まれており、EVラグジュアリーSUVとしての存在感がさらに高まるでしょう。アメリカでの納車は2025年第3四半期からスタート、日本市場には2025年末から2026年初頭にかけて導入される見込みです。
ロボタクシーがアメリカで始動
テスラは、完全自動運転技術FSDの開発を加速させています。2025年6月22日からアメリカのテキサス州では、ロボタクシーの運用が開始されました。ロボタクシーとは、車両とAIの連携によりドライバー不在で顧客を目的地まで安全に運ぶ次世代サービスです。
大量の車両データとAIを活用した自律走行を軸に、アメリカの都市部を中心に実証実験や段階的な展開が予定されています。2025年8月現在は、「運転席は無人であるものの助手席に安全監視スタッフが乗る」「招待者のみの乗車」など、まだまだ無人タクシーとは呼べないため、今後の進化が期待されます。
インド市場へ本格進出
2025年7月15日、テスラではインドではじめてのショールームを開設し、インド市場への本格進出を公式にスタートさせました。モデルYを皮切りにEVの現地展開を開始するほか、インド特有の経済・環境ニーズに応じた新モデル開発や現地生産も視野に入れています。
EVの普及が未開拓ながら、自動車の販売台数が世界3位である急成長中のインド市場は、テスラにとって大きな成長機会であり、今後のグローバル戦略の柱として期待されています。
テスラのEVに対するよくある質問
ここでは、テスラのEVに関してよくある質問を集めました。
日本にはどのくらいテスラの販売店があるの?
日本国内にテスラの販売店は、2025年8月現在23店舗あります。2026年度末には約2倍の50店舗まで拡大する予定です。
2025年8月には沖縄に新たなテスラ販売店がオープンします。関東圏や大阪、愛知など各地にあるため、気になる方はテスラの公式ホームページをチェックしてください。
テスラの納車方法は他社とは異なるって本当ですか?
テスラはディーラーでの購入とは異なり、オンラインでの注文です。購入後の納車手続きにはTeslaアカウントにサインインして、必要な情報を入力します。納車の際もディーラーへ受け取りに行くのではなく、指定日時に納車場所であるTeslaロケーションにて車両を受け取ります。ただし、納車の方法は地域によって異なるため、事前にテスラに確認しましょう。
テスラはどのくらい補助金がでますか?
テスラのEVを買う際は、国からのCEV補助金が87万円受け取れます。さらに住んでいる自治体からプラスで補助金を受け取れる場合もあるため、各自治体のホームページを確認しましょう。
補助金について詳しく知りたい場合や、特に東京都の情報が知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
内部リンク:EV購入のお金のメリット:最新の税制優遇・補助金情報と賢い活用術
内部リンク:EV購入の補助金は東京都でいくらになる?ガソリン車よりもお得?
テスラはなぜ充電器を独自で作るのですか?
テスラが独自に充電器を開発・運用するのは、ユーザーが安心して短時間で充電できる環境を整え、EV体験を最適化するためです。テスラ独自の充電器であるスーパーチャージャーは、高出力で数百kmの航続分を15〜30分で充電でき、利便性に優れています。
スーパーチャージャーは、コネクターを差すだけで認証から決済までできるプラグアンドチャージ(PnC)を搭載し、ガソリン車の給油よりも簡潔な充電を実現しました。
車両との完全連携により、ソフトウェア更新も自動化しています。また、独自規格「NACS」の推進によって業界標準化もリードし、テスラはEV社会のインフラ主導を目指しています。
テスラはスーパーチャージャー以外でも充電できますか?
テスラのEVは、変換アダプターを使用することで、日本で多く設置されているCHAdeMO規格の急速充電器を使えます。
スーパーチャージャーの充電器は全国に1,006口となっているため、数が少ないと感じる方もいるでしょう。しかし、CHAdeMOアダプターがあれば、全国に1万2,836口あるCHAdeMOの充電器を使用できるので安心です。(充電器の数は2025年8月時点、参考:GoGoEV)
2025年中には130kW出力に耐えられる仕様へとアップデートされる予定です。
なお、テスラのEVを利用している方のなかには、Myプラゴを利用している方々もいます。近隣にスーパーチャージャーが設置されていない方や、お得に基礎充電したい方などは、車室の予約ができ、少ない待ち時間で利用できるプラゴについてご検討ください。
テスラのEVで最新技術を味わおう
話題を集めているテスラのEVは、航続距離の長さや加速力など、EVのデメリットを払拭する先進技術が駆使されています。高級感や、充電ステーションの拡充もあり、テスラは今後も魅力的な車を生み出し続けるでしょう。
テスラの充電には、Myプラゴもおすすめです。アプリで充電器を検索し、そのまま予約が可能なため、別のEVが充電中だから待ち時間が長くなるリスクがありません。スマートにEVに乗りたい方は、ぜひ一度試してみてください。


