「EVの充電料金とガソリン代はどちらのほうが高いのだろう」「できるだけコストを抑える方法が知りたい」と思う方も多いでしょう。EVの充電料金はガソリン代に比べて比較的割安です。しかし、EVはガソリンとは違い、充電方法によって価格が変わるため仕組みが少し複雑です。
この記事では、充電コストの仕組みや、給油コストとの比較を紹介しています。気になるシミュレーション結果も掲載しました。読むことでEVとガソリン車それぞれにかかるコストの違いを理解できるでしょう。
EVの充電料金は場所によって価格が変わる
EVの充電料金とガソリン代を比較するために、仕組みを理解しておきましょう。EVの充電料金は、自宅で充電をするのか外出先で行うのか、また充電方法によっても変動します。
それぞれどのくらいの料金がかかるのか、見ていきましょう。
自宅で充電
自宅で充電すると、外出先で充電をするより安く済みます。0%から100%に充電する際、1回あたり1,000~2,000円程度で済むためです。充電する際に発生した料金は、月々の電気代に加算されます。
ただし、自宅で充電を行うには、充電器を設置する必要があります。はじめて電気自動車を購入する際には、設置費もかかるため予算に組み込んでおく必要があるでしょう。また、充電に時間がかかるという特徴もあります。
外出先で充電
外出先で充電する場合は、充電場所によって料金が変動します。というのも、機械の種類やサービス運営会社が違うためです。
充電するための機械は、時間がかかるものの安価に充電できる普通充電器と、スピーディーに充電できる料金が割高の急速充電器の2種類があります。普通充電器なら30分で165円程度、急速充電器なら30分で1,300~3,000円程度かかります。
充電する速度が異なるため、バッテリー残量や近日中に走行する距離によって充電器を選びましょう。
また、あとに説明している充電サービスに会員登録するかビジターで利用するかによっても価格が変わります。
EVを自宅で充電する場合にかかる費用
自宅でEVの充電をする場合は、電気代と充電器を設置する料金がかかります。それぞれどのくらいかかるのか、具体的な数字を見ていくと購入後にかかる費用を予想しやすくなるでしょう。
電気代
電気代は、月々2,000円から3,000円程度で収まる場合がほとんどです。
一般的な家庭用電気で1kWhあたり27円程度かかります。そのため、電費6.0km/kWhのEVで普通充電器の出力が3kWの場合360円で、72km走行可能です。
たとえば、月々800㎞走る場合、日産サクラなら2,044円、日産アリアなら2,667円の電気料金の計算ができます。仮にガソリン代が160円/Lで車の燃費が20km/Lだった場合、同様に月々800km走行で、6,400円かかります。
EVの電気代はガソリン代と比較すると、4,000円程度お得です。
充電器
充電器を設置する費用は10万円から30万円と金額幅が大きく、一般的には導入コストの低い普通充電を採用するケースが多いです。
100Vと200Vの普通充電器を選択できますが、200Vのほうが電気を多くEVに送れるため、充電時間が短いです。
また、国による補助金は2024年8月現在ありません。しかし、自治体によっては制度があるため住んでいる地域の状況を事前に確認しておきましょう。
たとえば、東京都では戸建住宅向け充電設備導入促進事業が行われています(2024年8月現在)。設備購入費は上限が30万円、設備導入費は1基あたり2万5,000円の補助金が出ます。
EVを外出先で充電する場合にかかる費用
外出先でEVを充電する場合には、充電認証サービス料金と都度充電料金の2つが必要になります。EVを利用していない方にとっては聞きなじみのない言葉でしょう。詳しく解説してきます。
充電認証サービス料金
外出先では、商業施設や宿泊地、サービスエリア、ディーラーなどにある充電ステーションを利用して充電を行います。その際に必要になるのが、充電認証サービスです。充電カードのほか、認証アプリやQRコードの読み取りなどを介して利用ができます。充電認証サービスによって初回の手数料がかかるところもあります。プラゴとその他2社の価格は以下の通りです。
プラン | 初回手数料 | 月額基本料金(税込) | 急速充電器利用料金 | 普通充電器利用料金 | |
プラゴ | 普通充電し放題 | 無料 | 980円 | 利用不可 | 回数無制限 1回の充電は5時間まで |
急速充電バリュー | 無料 | 3,980円 | 300分無料 回数無制限 1回の充電は1時間まで |
回数無制限 1回の充電は5時間まで |
|
A社 | プラン① | 無料 | 1,650円 | 利用不可 | 4.95円/分 |
プラン② | 無料 | 4,950円 | 38.5円/分 | 4.95円/分 | |
B社 | プラン① | 1,980円 | 1,540円 | 利用不可 | 3.85円/分 |
プラン② | 1,980円 | 4,180円 | 27.5円/分 | 3.85円/分 |
また、充電認証サービスが無くても充電できる場合もありますが、充電認証サービスがある場合に比べ充電料金が割高です。
都度料金
使用している充電認証サービスにもよりますが、充電認証サービスにかかる費用だけでなく、利用時間に応じて追加で充電料金がかかります。外出先では自宅での充電よりも充電する料金がかかるため、遠出をした場合のみ使用するのが一般的です。
さらに、急速充電の場合は早く充電が行われますが充電費用が割高です。普通充電の場合は充電するのに時間がかかってしまうものの、急速充電よりも料金がかかりません。たとえば、ららぽーとのように長時間過ごせるショッピングモールでは、普通充電でも十分充電できる場合があります。
外出先での残りの電力と、自宅に帰るまでに走行する距離を計算して電力不足にならないように充電を行いましょう。
EVの充電料金はガソリン代よりもお得!
EVの充電料金はガソリン代に比べてお得です。実際にEVを所有した場合いくらかかるのかシミュレーションしてみましょう。
今回は、兄弟車と呼ばれている、サイズが近い「日産サクラ」と「日産デイズ」を比較します。どのくらい料金に差があるのでしょうか。
週5回通勤に使用するAさんの場合
週5回通勤に利用しているAさんの場合、EVの電気料金とガソリン代がいくらになるのか調べてみました。条件は以下の通りです。
シミュレーションの条件
・遠出をしないため、自宅での充電で事足りる
・会社までの距離は10km
それでは見ていきましょう。
EVにかかる充電料金
EVを通勤のみ利用するAさんの充電料金を計算してみましょう。
Aさんの使用条件から走行距離は、会社までの距離10kmを往復、週5日で走行距離400kmです。
AさんがEVである日産サクラを利用した場合の充電料金は2,067円。
電費 | 6km/kWh |
電気代 | 31円/kWh |
走行距離 | 400km/月 (走行距離:会社までの距離10kmを往復、週5日) |
充電料金 | 2,067円 |
計算式は以下の通りです。
・「走行距離」÷「電費(1kWhの電気で走れる走行距離)」×「1kWhあたりの電気代」
400÷6×31=2,067円
ガソリン車にかかるガソリン代
上記と同じ条件をガソリン車の日産 デイズで利用した場合のガソリン代を計算します。
Aさんがガソリン車である日産デイズを利用した場合のガソリン代は3,400円。
燃費 | 20km/L |
ガソリン | 170円/L |
走行距離 | 400km/月 (走行距離:会社までの距離10kmを往復、週5日) |
ガソリン代 | 3,400円 |
計算式は以下の通りです。
・「ガソリン価格」×「走行距離」÷「車の燃費」
170× 400÷ 20=3,400円
週5回の通勤に加え休日には遠出をするBさんの場合
週5回の通勤に加え休日には遠出をするBさんの場合は、どのくらいの価格差があるのでしょうか。条件は以下の通りです。
シミュレーションの条件
・会社までの距離は10㎞とする
・遠出(500km)をするため、月に1回は急速充電を利用する
それでは見ていきましょう。
EVにかかる充電料金
EVを通勤と遠出に利用するBさんの充電料金を計算してみましょう。
以下Bさんの使用条件から通勤による月400kmの走行距離に加え、週1回の遠出500km走行で900kmです。プラゴを利用して急速充電をしていた場合、急速充電バリュー3,980円が追加になります。
BさんがEVである日産サクラを利用した場合の充電料金は6,047円。
電費 | 6km/kWh |
電気代 | 31円/kWh |
走行距離 | 900km/月 走行距離:月400km+月1回の遠出500km走行 急速充電:バリュー3,980円(プラゴを利用) |
充電料金 | 6,047円 |
・「走行距離」÷「電費(1kWhの電気で走れる走行距離)」×「1kWhあたりの電気代」
(400÷6×31)+3,980=6,047円
ガソリン車にかかるガソリン代
Bさんの条件はEV同様で、走行距離は通勤に400km、遠出に500kmの合計900kmです。
Bさんがガソリン車である日産デイズに乗った場合、1か月のガソリン代は7,650円。
燃費 | 20km/L |
ガソリン | 170円/L |
走行距離 | 900km/月 |
ガソリン代 | 7,650円 |
計算式は以下の通りです。
・「ガソリン価格」×「走行距離」÷「車の燃費」
170× 900÷ 20=7,650円
まとめ
この記事では、EVでかかる充電料金とガソリン車にかかる給油のコストを比較しました。EVの充電料金のほうが、ガソリン代に比べて比較的割安です。シミュレーションをして具体的な数値を出した場合も同様でした。ただし、EVは新車価格が高いことや充電器を設置する費用がかかるなど、違う形で出費が発生する点は考慮しておきましょう。
加えて、充電認証サービスの料金を複数社比較するとプラゴを利用した場合がよりお得だとわかりました。予約から充電、決済までアプリで完結するためEVライフをもっと自由に楽しめます。Myプラゴについて詳しくはこちらをご覧ください。(Myプラゴについての詳細はこちら)