電気自動車(以下、EV)をCMで見て、「メリットとデメリットを知りたい」「購入を検討しているけれど疑問点が多い」という方がいるのではないでしょうか。電気自動車(EV)は、走行時のCO2がゼロ排出で、災害時には蓄電池としても活躍します。しかし一方で、車両価格の高さや充電スポット不足など、気になる点もあります。
この記事では、電気自動車のメリットやデメリットを紹介します。加えて、知っておくと便利な電気自動車の選び方についても解説していくので、最後まで読むことでEVのメリットやデメリットをしっかり理解でき、購入検討の知識として活かせるでしょう。
電気自動車(EV)とは
電気自動車は、ガソリンではなく電気をエネルギーにして走行する車です。「Electric Vehicle(エレクトリック・ビークル)」の頭文字からEVとも呼ばれます。
EVとガソリン車との違いは、エンジンの代わりに、モーターがついており、電気を充電して走行する点です。ガソリンを使用しないため排気ガスを出さず、環境問題や脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として注目されています。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表しているデータによると、EVの販売台数が毎年上昇傾向にあるのがわかります。
年 / 新車登録台数
2020年 / 14,604台
2021年 / 21,139台
2022年 / 31,592台
2023年 / 43,991台
参照:一般社団法人日本自動車販売協会連合会
電気自動車のメリットとは
EVの販売台数上昇の理由として、以下のメリットがあげられます。
①走行中にCO2が出ないから環境対策になる
②加速がスムーズでパワフル!振動や騒音が小さい
③蓄電池としても活躍するから災害時に電源になる
④公的な補助金や税金の優遇を受けられる
それぞれ見ていきましょう。
①走行中にCO2が出ないから環境対策になる
EVは走行中にCO2を排出しません。ガソリンではなく電気を動力源にモーターを動かし走行するため、環境性能に優れている点が特徴です。
国土交通省のデータによると、2022年度の自家用乗用車のCO2排出量は8,191万トンとかなり大きな数字になりました。東京ドーム約3.5個分です。
CO2の排出は地球温暖化の原因になっており、一人ひとりの対策が重要です。そのため、EVの選択も環境保護の第一歩といえるでしょう。
②加速がスムーズでパワフル!振動や騒音が小さい
EV用のモーターは電気が流れた瞬間から最大の力を発揮するため、アクセルを踏み込むとスムーズに発進します。加速が滑らかでパワフルに走れる点も魅力のひとつです。
また、ガソリン車とは異なり変速時に起こるショックやエンジン音がないため、騒音も抑えられます。そのため、快適な乗り心地を実感でき、長時間の運転や乗車も疲れにくいでしょう。
③蓄電池としても活躍するから災害時に電源になる
多くのEVは、別途専用の装置を使用すると外部給電ができます。そのため地震のような災害時や、停電時に、車として移動できるだけでなく、蓄電池としての利用が可能です。
エアコンや冷蔵庫などの生活に必要な家電のほとんどを動かせるため、災害時にEVがあると安心感が生まれます。EVは防災用品のひとつとしても、便利なツールでもあります。
④国から税金の優遇や補助金を受けられる
EVは、環境に良い点から国や自治体からの税制優遇や補助金の対象になっています。税制優遇は以下の通りです。
EVにおける税制優遇
・EV購入時:環境性能割(非課税)
・自動車税納付時:グリーン化特例
・車検時:自動車重量税にはエコカー減税が適用
また、購入時に受け取れる補助金には経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」があります。各地方自治体で補助金を出している場所もあり、併用できるため合わせて100万円近い補助金を受け取れる場合もあります。
電気自動車のデメリットとは
EVにもデメリットがあります。
①車両価格が高い
②ガソリン車に比べて選べる車種が少ない
③充電に時間がかかる
④充電設備が自宅や身の回りに必要
メリットとデメリットを把握したうえで購入を検討しましょう。
①車両価格が高い
EVはガソリン車に比べて価格が高い傾向にあります。ガソリン車は100万円以下でも購入可能です。一方、EVは軽自動車の場合でも250万円以上、ミドルクラスのSUVやミニバンになると車体価格が400万円近くになります。
ただし、EVには税制優遇や補助金制度があるため本体価格よりも安く済む場合がほとんどです。本体価格だけに注目せず総額をチェックしましょう。
②ガソリン車に比べて選べる車種が少ない
EVはガソリン車に比べて、国内で購入できる車種がまだ少ない傾向です。少しずつ多様なEVの発表がありますが、日本では小型、もしくは大型SUVやセダンなどのEVがメインです。
そのため、日本で人気あるスライドドアを採用したミニバンのEVはまだ発表されていません。(2024年8月現在)子育て世代や旅行好きな方にはミニバンサイズの車やスライドドアは重宝されるため、今後の普及に期待したいところです。
③充電に時間がかかる
ガソリンは給油に数分しかかからないのに対し、EVを充電するための時間は半日以上かかる場合もあります。充電方法は普通充電と急速充電の2種類があり、普通充電の場合、充電時間は一晩から1日、急速充電の場合に30分程度かかります。
自宅で使用していない時間に充電したり、買い物や休憩のタイミングで充電ができる駐車場を利用したりすると実質の待ち時間を減らせて便利です。充電にかかる時間は長いものの、タイミングを工夫すると負担は少ないでしょう。
④充電設備が自宅や身の回りに必要
EVを買うなら、自宅に充電するための設備を用意しておきたいところです。そのためには車以外にも初期費用がかかってしまいます。
加えて、充電設備がガソリンスタンドのように充実していない点も、課題です。
しかし、国は充電インフラの普及促進や規制緩和を進めています。2030年の設置目標を現在の10倍にあたる30万口に引き上げたいと発表しており、今後充電スポットは増えていくでしょう。
電気自動車の選び方
EVのメリット・デメリットを把握しましたが、自分にはどのEVが良いのか判断するのは難しいです。以下の選び方をチェックしましょう。
EVの選び方
・利用目的に合わせる
・補助金と予算に注目
それぞれ解説します。
利用目的に合わせる
まずは車を利用する目的を確認しましょう。
EVの利用目的に合わせて車種を選ぶ方法
・乗車人数に合わせてサイズをチョイス
・航続距離によって車種を検討する
どちらの項目も満たせると、より自分に合った車種を選べます。
乗車人数に合わせてサイズをチョイス
EVの車種を選ぶときは、ガソリン車同様に乗る人数に合わせてサイズを検討しましょう。
荷物の多い子連れやまとまった人数で移動する機会が多い場合はミドルサイズSUVが向いています。また、日常使いに限定しているカップルや一人での利用が多い場合は軽自動車が使い勝手の良いサイズです。
航続距離によって車種を検討する
EVの場合、航続距離も車種を決定する要因です。なぜなら、EVは1回のフル充電によって、車が走行できる距離が決まっているためです。
航続距離が長い方が良いと思うかもしれないが、バッテリーのサイズが大きくなるため、価格は高くなり充電時間も長くなってしまうため重視するポイントを絞りましょう。
補助金と予算に注目
補助金や予算に注目して値段別に車種をまとめました。
値段別おすすめ車種
・250万円程度で買えるEVでは比較的リーズナブルな車種
・500万以下で買える比較的手軽な車種
・500万以上の高性能車種
車種によって大きく値段が異なるため、予算や補助金を把握して購入する車を決めましょう。
250万円程度で買えるEVでは比較的リーズナブルな車種
250万円程度で買えるEVのなかでも比較的リーズナブルな車種を検討している方は、軽自動車をチェックしましょう。おすすめは、日産「サクラ」(259万9,300円~)と三菱「eKクロスEV」(256万8,500円~)です。
どちらも補助金を活用すると130万円前後で購入できる場合があります。
500万以下で買える比較的手軽な車種
500万円以下で車を購入したい方にはBYD「DOLPHIN」やヒョンデの「KONA」が向いています。
BYD「DOLPHIN」は、日本向けのラインナップ第2弾で363万円から購入可能です。自治体によって変動がありますが、購入時の補助金が80万円ぐらいの可能性があります。
ヒョンデの「KONA」はコンパクトなSUVで、本体価格が399.3万円からです。CEV補助金は45万円受け取ることができ自治体の補助金を組み合わせられます。
500万以上の高性能車種
高くても性能の良いEVに乗りたいと考えている方は、テスラ「モデルY」やメルセデス・ベンツ「EQB」がぴったりです。
テスラ「モデルY」は、533万7000円から購入できます。国からの補助金は65万円、自治体によってさらに多くなります。
メルセデス・ベンツ「EQB」は、811万円から購入可能です。国からの補助金とメルセデス・ベンツ独自のご購入サポートで95万円が優遇されます。
まとめ
一方、車両価格の高さや車種が少ないといったデメリットもあります。メリットやデメリットを把握したうえで自分に合った車選びをしましょう。充電器をより快適に利用するために、充電料金定額制で予約ができるMyプラゴの利用もおすすめです。Myプラゴについて詳しくはこちらをご覧ください。(Myプラゴについての詳細はこちら)