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マサチューセッツ工科大学(MIT)が、最も一般的なプラスチックであるポリエチレンをさまざまな衣料品で使用できる素材にする方法を開発した。エネルギーと水の消費量を減らし、繊維製品の製造段階での環境フットプリントを削減することが期待できるそうだ。
.@MIT Scientists Develop the Perfect Breathable Earth-Friendly Fabric Using The Same Material as Single-Use Bags 🌏
The new thread opens up an industry-changing material for use in earth-friendly textiles. #EcoFriendly #GoodNews #environmental https://t.co/Kh6C7asO0I
— Good News Network (@goodnewsnetwork) March 21, 2021
これまでポリエチレンはフリースなど一部の衣料品や防火服などには使われてきたが、このたびMITで開発されたポリエチレン製の繊維は適度な吸水性と撥水性を兼ね備え、通気性もよく、あらゆる衣料品に利用できるという点で常識を覆す成果と言える。
ファッション・繊維業界は大量のゴミを生み出しているだけでなく、ナイロンやポリエステルを使った糸を製造する際に大量の水を消費し、世界で年間に排出される温室効果ガスの5〜10%を生み出している。しかもこれらの繊維はリサイクル不可で、環境汚染を促す要因がぎっしりと詰められている業界なのである。
しかし、MITで開発されたこの新しい繊維は容易にリサイクルできるポリエチレン、つまりペットボトルと同じ素材でできているため、製造段階での環境負荷だけでなく、使用後にリサイクルできるという点でも画期的だ。
MIT機械工学科の研究員で論文の主執筆者であるスベトラーナ・ボリスキナは「レジ袋を海に捨ててしまうのは問題です。ポリエチレンをスニーカーやパーカーにすることができれば、これらの袋を拾ってリサイクルすることは経済的にも意味のあることです」と綴った。
最高のイノベーションは、新しい要素、新しい機械、新しい技術から生まれるのではなく、すでにあるインフラや素材を再確認するだけで生まれることがある。
多くの国々でプラスチック製品の使用が制限されてきているが、この方法が普及することでプラスチックとも共存できるサステナブルな社会が実現するのを楽しみに待ちたい。