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【PICK UP】こんなものまでエネルギー源に? 意外な再エネ記事まとめ
PICKUP | 2022.03.15
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PLUGO JOURNALでは平日正午に世界のサステナブルニュースを配信しているが、中には私たちにとって喫緊の社会課題である「エネルギー問題」を解決するポテンシャルを秘めたものも多い。
今日は、そんなエネルギー関連の記事の中から「意外なもの」がエネルギー源としてのポテンシャルを持っていることを示唆する記事をまとめてご紹介しよう。
「足音」がエネルギーに フットフォールハーベスティング
まずはこの記事を紹介しよう。
イギリスの企業、Pavegenが開発しているフットフォールハーベスティング(直訳すれば「足音の収穫」)は、人の足音 ―正確には歩行時に出る振動を電気に変える仕組みだ。
ロンドン東部の地下鉄駅、ウェストハムの床面に設置されたゴムの板が歩行時の振動を吸収し、それを電気に変えているという。
人の集まるところが電気の需要の高いところ、ということを考えれば、この方法は非常に理にかなった賢い方法と言えるだろう。
参考記事:「足音が電力に変わる!フットフォールハーベスティング」
ゴミから水素を作る世界最大のハイドロゲンファーム
人の集まるところに集中するのは、電力需要だけではない。ゴミも自然と集まってくる。
そんなゴミを次世代のクリーンエネルギー源として注目されている水素に変えるハイドロゲンファームがカリフォルニアにある。
ここではプラスチックなど、燃焼させると環境負荷の高いゴミをプラズマで超高温状態にして炭化水素分子を分離、それをさらに水素と炭素に分離することで、高純度の水素と少量の二酸化炭素を生産している。
映画ファンなら、バック・トゥ・ザ・フューチャーでドクがデロリアンに燃料となるゴミを投入するシーンを覚えているだろう。あれが現実に、しかも世界最大の規模で、映画の撮影地であるカリフォルニアに作られたのは、なんとも象徴的だ。
参考記事:「ゴミから水素を生産。世界最大の水素製造施設がカリフォルニアに」
木材からバッテリーを作る新技術
さて、ゴミと言われると私たちが想像するのは、家庭から排出される生ゴミやプラスチックになりがちではあるが、実は「木材」も世界では大量に廃棄されている。
環境保全のための間伐や木材加工時に出る粉塵など、その多くは割り箸や集成材などに姿を変えて再利用されているが、これを「バッテリー」として再利用する技術がフィンランドで開発されている。
木材に含まれるリグニンという食物繊維の一種を利用したこのバッテリーには、その材料となる木材は豊富に採取できることなどメリットが多いが、EVにとって嬉しいのが「寒さに強い」という点だという。
現在おもに使われているリチウムイオンバッテリーは低温環境下でその性能が著しく落ちることが知られているが、リグニンを利用したバッテリーではその心配が少ないそうだ。
参考記事:「木から作られたバッテリーでよりクリーンなEV社会実現へ」
廃坑に溜まった「温水」が地域のエネルギーに
ゴミや木材のように「捨てられるはずだったものがエネルギー源になる」という技術に対して、次に紹介するこの技術は「見向きもされてこなかったものがエネルギー源になる」という点で目新しい。
それは、廃坑に溜まった大量の「温水」だ。
産業革命を支えた主なエネルギー源であった石炭は、その後石油に取って代わられ、そして今はよりサステナブルな再生エネルギーへの置き換えが進んでいるため、過去のものとなりつつある。
その時代の流れに合わせて、石炭を掘り出していた炭鉱も次々に廃坑となっているが、そこに大量の温水が溜まっていることはあまり知られていない。
つまり「温泉」なわけだが、その量はなんと20億㎥と推測されている。イギリスではこの温水を汲み上げ、ヒートポンプで熱を取り出して暖房用ネットワークに接続する試みが行われているのだ。
化石燃料のように枯渇する心配がなく、また季節に関わらず一定の温度を保てるのでサステナブルなエネルギー源として大きなポテンシャルを秘めている。
参考記事:「廃墟となった炭鉱がヨーロッパの再生可能エネルギー推進の追い風に」
エネルギーは生活の至るところから生まれている
サステナブルなエネルギー源への注目が集まるのに合わせてその技術革新が進み、このように「今までは思ってもみなかった」という新たなエネルギー源が開発されている。
もはや、人類が生きていくために電気は欠かせない。一方で、もちろん「環境」も生きていくためには欠かせないものだ。それらを両立させる方法を世界は模索し続けている。