PLUGO JOURNAL

NEWS

必要不可欠だからこそ廃棄ではなく再生を。生まれ変わるPCR検査キット

SOCIAL | 2022.02.24

SHARE

必要不可欠だからこそ廃棄ではなく再生を。生まれ変わるPCR検査キット

PCR検査キットの廃プラ問題

使い捨てマスクや手袋と同様、世界中で使用が急増しているPCR検査キット。

コロナ禍において必要不可欠なものの1つだが、一方で大量の廃プラを生み出していることはご存知だろうか。
検査キットは耐薬品性の再生不可能なプラスチック(PPE)を含んでおり、従来のリサイクル施設では対応できないため全て廃棄されているのだ。

その廃棄方法は国や地域によって異なるが、多くは「医療廃棄物」として焼却されている。早期にPCR検査体制が整備され、多い時には1日200万件以上の検査が行われるというイギリスにおいても、全て焼却や埋め立て処理が行われているのが現状だという。

その膨大な廃棄検査キットを少しでも減らすべく動いたのが、イギリスに拠点を置くリサイクル事業者「ReWorked」だ。

使い捨て製品を捨てるのではなく、再生させるという新しい方法

ReWorked社は革新的なリサイクルシステムにより、使い捨てマスクや手袋、そしてPCR検査キットまで、PPEを含む衛生用品を殺菌の上100%リサイクルしてプラスチック板に生まれ変わらせることに成功したのだという。

このプラスチック板は、プランターや子ども用の椅子、建築資材、屋外家具などに加工され、ReWorked社のウェブサイトで販売されている。
さらに、使用済みPPE製品を、安全で衛生的に回収するためのリサイクルボックスにも使用。リサイクル不可能だと考えられていた衛生用品を見事に循環させているのだ。

イギリス国内ではすでに複数の自治体が、このリサイクルボックスを公共の場に設置し始めている。

必要不可欠なものだからこそ、未来のための選択を

コロナ禍において必要不可欠なPCR検査キットや使い捨てマスクなどの衛生用品。感染拡大防止対策はもちろん重要だが、COVID-19の大流行が新たな廃プラの流れを作ったことも事実である。

私たちにできることとは何か。

例えば「必需品だからこそサステナブルに廃棄処理を。土に還る植物ベースのマスク」で紹介したような環境に配慮した衛生用品を選択することもその1つだろう。
リサイクルできないものを廃棄することは簡単だが、私たちが行う全てのことが気候変動に影響を与えるということ、COVID-19の影響は想像以上に広範囲に及ぶ可能性があることを知っておくことが大切なのではないだろうか。


SOURCE: Can you recycle Covid tests? | Metro News

SHARE

TEXT:
俵谷千尋 ( facebook / Twitter / Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。いろいろな国の文化の違いや食事など知ることが大好きです。海外渡航歴27ヵ国。人生で100ヵ国達成が目標です!

recommend

RECOMMEND

COPYRIGHT PLUGO ALL RIGHTS RESERVED.