世の中がカーボンニュートラル社会への転換を急ぐ中、次の車はEVにしようか…と悩んでいる読者も多いだろう。実は私もそうだ。
しかし、EVにはガソリン車にはない悩みや苦労があるのも事実。たとえば、雪の中での立ち往生は生死に関わる可能性があるし、ノルウェーのように充電器が十分に普及していない日本では日常的な利用に不便がないかどうか、確信を持てない人が少なくないのも頷ける。
かといって「お試しに」EVを買ってみることができる人は少ないはずだ。日本で最も安価に手に入れられるEVの1つがTeslaのModel 3だが、それでも300万円近い出費を「自分の生活に合うかどうか分からないまま」ポンと出せる人がどれだけいるだろうか。
そんなEVへの移行をよりスムーズにするサービスが先週、カリフォルニアでスタートした。
自動車価格情報サイト大手の米True Car社の創業者、Scott Painter氏が新たに設立したAutonomy社が、Tesla Model 3のサブスクリプションサービスを開始したのだ。
The founder of TrueCar has a new business, and it's about putting people into flexible terms with a Model 3 https://t.co/UPoBkralto
— CNET Cars (@CNETCars) January 25, 2022
現在はまだ100台のTesla Model 3しか所有していない同社だが、今後の1年間で10,000台にまで拡大する予定とし、より多くの人に「EVを買わずに試す」という選択肢を提供するために準備中だという。また、カリフォルニア以外の地域でのサービス開始にも意欲的だ。
EVサブスクには「お試し」以上の価値も
EVのサブスクには、単に「お試し」ができるという以上の意義もある。
ガソリン車と違い「バッテリー」という次第にその性能が落ちていくユニットを抱えているEVは、ユーザーが車を手放す際の販売(下取り)価格が低くなりやすく、結果として廃棄されてしまうことが多い。
しかし、バッテリーは適切な処理をされずに廃棄されると環境負荷が高まる危険があり、今後5年から10年ほどで廃棄されたEVによる環境問題が顕在化するだろうという予測もある。
しかしサブスクであれば、自分の生活に合わないと感じた消費者が無駄にEVを買う機会を減らし、結果として廃棄されるEVを減らすことにも繋がるだろう。サステナブルな仕組みの中で、より快適に、環境にも優しくEVを利用することができるのだ。
日本ではまだ、このようにEVを長期間にわたってレンタルするサービスは存在していない。先日のCES 2022で「VISION-S 02」を発表したソニーグループは日本でのサブスクサービス開始をほのめかす発言をしているが、果たしていつ、私たちが利用できる日が来るだろうか。
SOURCE :Try a Tesla Model 3 before you buy with Autonomy subscription service