NEWS
アフリカ諸国では、毎年大量の使用済みタイヤが廃棄されて問題になっている。
特に南アフリカでの廃棄量は、年間20万トンにもなる。
廃タイヤを埋め立てに使用したり、不法投棄している地域も多くあるが、タイヤが土に還るには何千年もかかると言われている。
山積みに放置された廃タイヤは景観を損ねるだけではなく、火災の原因になったり、マラリアやデング熱などを引き起こす蚊の繁殖場所になるなど、様々な問題の原因となっている。
この問題に着目したのが、ルワンダのスタートアップ企業「Uzuri K&Y」だ。
Uzuri K&Yは、廃タイヤを自社のオリジナルサンダルに生まれ変わらせたのだ。
このカラフルなサンダルの靴底に廃タイヤが使用されているとは、一見分からないだろう。
タイヤだけではとても硬くて履き心地が良くないため、中にクッション性の素材を入れることで、快適で履き心地の良いサンダルになっているのだという。
快適さ・耐久性・手頃な価格を兼ね備えたこのサンダルは、2012年に売り出してから既に44,000ペア以上も売れたという。
最近は、室内で履くスリッパ作りにも着手。このスリッパを地元の持続可能なアイテムとして他国にも広げようとしている。それは廃タイヤ問題のさらなる解決につながるだろう。
さらにUzuri K&Yの取組みは、廃タイヤの削減だけには留まらない。
このサンダル作りは、機械に頼らずほとんどの工程を手作業で行っているのだ。
それは、環境負荷を最小限に留めるというだけではなく、現地の雇用創出にもつながっている。
若者や女性に働く場所を提供し、スキルを習得できる機会を作っているのだ。彼らの中には、既に独立している人たちも多くいるという。
カラフルで美しいサンダルやスリッパは、廃タイヤを削減しただけではなく、ルワンダの人たちの仕事や未来までサポートしているのだ。
ただ環境に優しいだけではなく、作る人や使う人にも優しい商品作りこそが、真のサステナブルな商品作りと言えるのではないだろうか。
SOURCE: AFRICA: Uzuri K&Y to produce its eco-friendly shoes in South Africa and Tanzania | Afrik 21