これを読んでいる読者のみなさんは、いま、どんな色の車に乗っているだろうか?または、どんな色の車が欲しいと思っているだろうか。
ちなみに私の車の色はホワイト。都市部で使う分にはブラックよりも汚れが目立たず洗車の回数を減らすことができるが、冬なんかはいつまでも車体が温まらずに苦労することもあり、そんな時にはブラックの車がちょっと羨ましくなったりもする。
そんな私が注目しているのが、今年の1月5日から8日にラスベガスで開催されたCES 2022で発表されたBMWのコンセプトEV「iX Flow」だ。
まずは動画を見てもらうのが早いだろう。
BMW HAS A COLOR CHANGING CAR IN LAS VEGAS RIGHT NOW! #CES2022 pic.twitter.com/vgKMDiRedE
— The Kilowatts 🚗⚡️ (@klwtts) January 5, 2022
一応伝えておくと、これはCGではない。実際に、こうして車体カラーを後から変更できるEVがBMWから発表されたのだ。
その秘密は、E-Ink。身近なところだと電子書籍に使われているディスプレイ技術で、表示の切り替え時以外は電力を消費しないことと、液晶のように背面からライトを当てなくてもはっきりと表示できるため薄型の装置にも組み込めるのが特徴だ。
「iX Flow」は車体全体(充電ポートリッドを除く)がE-Inkで覆われているため、電子制御でホワイトからブラックまでの間で階調表現が可能となっているのだ。
今はまだコンセプト段階で発売時期や価格などは未定だが、これはEVにとってメリットの大きい技術と言える。
その理由は、最初にも触れた「車体温度の管理」だ。当メディアのNEWSでも何度か触れているが、EVは内燃機関(エンジン)を搭載していないため寒さに弱く、氷点下環境で暖房をつけずにいると数時間で車体全体が凍りつく程冷えてしまう。また炎天下では、エンジン車と同じようにスチール製の車体がすぐに熱くなるため、どちらの場合でもエアコンは欠かせない。
しかし、エアコンはEVにとって何よりも大切な電力を大量に消費するため、その付き合い方はなかなか難しいのだ。
こうして車体カラーを変えられるのであれば、冬はブラックにして太陽光から少しでも蓄熱を、逆に夏はホワイトにして熱を反射することでエアコンの使用を控えられるかもしれない。
BMWのプロジェクトリーダー、ステラ・クラーク氏は「将来的にはボタン1つで車体カラーを変えられる車を消費者に届けたい」とその意欲を語っている。
世の中にはすでにカラー表示が可能なE-Inkディスプレイも広まっていることを考えると、このコンセプトカー以上にカラフルな、まさしくカメレオンのようなEVの誕生も遠くはないかもしれない。
SOURCE : BMW just unveiled its first color-changing car, and you have to see it to believe it