PLUGO JOURNAL

NEWS

海を汚さず美を彩る、自然に還る植物由来のラメ

FASHION | 2021.12.28

SHARE

海を汚さず美を彩る、自然に還る植物由来のラメ

様々な化粧品に使われているラメ。アイシャドウやチーク、ネイルカラーなどに配合され、そのキラキラと輝く煌めきに魅了されている人も多いだろう。

しかしこの美しいラメが、実は海洋汚染の原因の一つになっていることをご存知だろうか。

ラメは一粒の大きさで言うと1mmにも満たないが、そのほとんどが小さなプラスチックの破片で作られている。マイクロプラスチックは、いくら小さくても自然に分解されることはない。

例えばお風呂でメイクを落とすと、化粧品に含まれていたラメの粒は排水溝に流れていく。そして小さな粒は、水のろ過システムも通過し、そのまま海洋に放出されてしまうという。
海にたどり着いたラメは鳥や魚の体内に入り、それらを食べた人間の体内にも蓄積されていくことになる。
海の生態系に深刻なダメージを与えると共に、人間の健康にも大きな影響を及ぼしているのだ。

近年、これらの問題を解決するために、生分解可能なラメが開発されているという。

 

中でも「世界初の生分解可能なラメ」と言われている、アメリカの「BioGlitz(バイオグリッツ)」。
なんと主原料は、ユーカリの繊維(セルロース)だそうだ。

このBioGlitzは、完全植物由来成分で作られているので、実験では28日間で9割以上が生分解されたという。つまり、1~2ヶ月後には、環境への影響がほぼゼロになっていると言えるだろう。

微生物のいる土や海では生分解されるが、常温で変化することはないため、ごく普通のラメとして安心して使用できる。
さらに原料には、国際的な森林保全機関からFSC認証を受けた持続可能な木々のみを使用し、動物実験も一切行わず、遺伝子組み換え製品も含まないという。

「シャワーでラメを洗い流して、それらが排水溝に流れていくのを見ていたら、これ以上ラメの輝きの代償として環境を傷つけることはできないと思った」と、BioGlitzのブランド創始者の一人Sabaは述べている。

自分が好んでいつも使っているものが、実は地球環境に悪影響を与えていることがある。普段は小さ過ぎて気にも留めないようなラメでさえも、少しずつ環境を傷つけているのだ。

私たちを美しく輝かせてくれるものだからこそ、美しく自然に還るものを選びたいものだ。その小さな積み重ねが、大きな効果をもたらすのではないだろうか。

.

SOURCE: Biodegradable Glitter Exists and It’s Going to Seriously Help the Oceans | Better Homes & Gardens

SHARE

TEXT:
俵谷千尋 ( facebook / Twitter / Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。いろいろな国の文化の違いや食事など知ることが大好きです。海外渡航歴27ヵ国。人生で100ヵ国達成が目標です!

recommend

RECOMMEND