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JAFが実験「大雪によるEVの立ち往生には『電気毛布』を」

EV | 2021.12.24

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JAFが実験「大雪によるEVの立ち往生には『電気毛布』を」

近年、激甚化する気象災害。南北に長い日本列島において、特に北日本では大雪の被害が年々増加傾向にある。
とくに冬場は、日々の除雪活動でも対応しきれない程の急な大雪により、高速道路に大渋滞が発生している光景をニュース等で見たことがあるだろう。

では、その時、EVに乗っていたらどうなるのだろうか?

ガソリン車の場合、サービスエリアのガソリンスタンドまで歩けば携行缶で燃料を補給することもできるし、そもそも暖房による燃料消費が少ないのであまり問題にはならない。しかしEVの場合は、適切な準備がなければ「電欠」となって車が完全に使えなくなる危険があるのだ。

近年のEV普及を受け、JAFがそのような状況を想定した実験を行なったので、その結果から「適切な準備」についてお知らせしよう。

1.こまめな充電

まずは基本として「こまめな充電」は欠かせない。
主要な高速道路のサービスエリアには(数は少ないが)必ずEV用の急速充電器がある。天候不順が予測される場合、目的地までのサービスエリアごとに必ず充電するようにしよう。
少し待つこともあるかもしれないが、電欠になってレッカー車を待つよりはずっといいはずだ。

2.オートエアコンはオフにする

雪の中で大渋滞に巻き込まれたEVは、内燃機関を搭載していないためすぐに冷えてしまう。
JAFの実験では、オートエアコンをオフにしたEVは約5時間で窓ガラスが凍りつくほど車体が冷えてしまうという結果が出ている。

なのになぜ、オートエアコンをオフにしたほうがいいのだろうか。

それは、電力消費量があまりに大き過ぎるからだ。エンジンの熱を流用したガソリン車のエアコンと違い、基本的には住宅用エアコンと同じ仕組みで動いているEVのエアコンは、EVの装備の中でも最大級の電気食いなのだ。

JAFの実験では、25℃のオートエアコンをオンにしていたEVは、たったの2時間半で、70%だったバッテリー残量が10%以下にまで減ってしまった。

3.電気毛布など、シガーソケットで動作する暖房器具を準備

窓ガラスが凍りつくようなEVの車内では、当然、人間が快適に過ごすことはできない。それどころか、生命維持にも関わる過酷な環境である。

その時に活躍するのが、シガーソケットで動作する暖房器具だ。
オートエアコンと比較すると消費電力が小さく、充分に快適な車内環境を維持することができる。

JAFの実験では、電気毛布を利用していたEVの場合、13時間後でも70%から約60%までバッテリー残量を維持できていた。

詳しい実験の内容や結果はJAFのサイトに掲載されているので、冬のEVドライブを計画している方はぜひ見ておいてほしい。

安全に、楽しい旅行を!


SOURCE:大雪による車の立ち往生~危険性と防寒対策を検証~(JAFユーザーテスト)

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TEXT:
塚岡雄太 ( Twitter / Instagram / Website )

PLUGO JOURNAL編集デスク。趣味はサイクリングと読書で、どこにでも自転車で現れるのでよく人を驚かせる。デジタルガジェットが好きで、IoTを活用したサステナブルな活動に興味を持っている。

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