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サステナブルな社会実現に向けて、世界が足並みを揃え革新的な開発に取り組んでいる。その中でも、以前に「海藻が世界を救う?スーパーフードからスーパーヒーローに」で紹介したように、海藻や藻のポテンシャルに注目し、開発を行なっている企業がたくさんある。
イギリスのアパレルブランド「Vollebak」は、藻とファッションを掛け合わせ、12週間で土に還る「The Plant and Algae T Shirt(植物と藻のTシャツ)」を作り出した。
こちらのTシャツに使用されている原料は、国際的な森林認証制度「FSC」や「PEFC認証」によって認証された、ユーカリ、ブナ、トウヒ等のサステナブルな植物だ。
藻類は、日光と二酸化炭素と水だけで急速に成長し、布地や繊維に使用するインクへの適応性も高いことから、染料として使用されている。
木材パルプで作られた生地に、藻類から開発したインクでプリントをしているのだ。
藻類はバイオリアクターで培養され、フィルターにかけられる。そして、ペースト状から乾燥させ、細かい粉末になる。この乾燥粉末を水溶性の結合剤と混ぜ合わせると、緑色のインクが完成する。
従来の合成染料とは異なり、藻類インクは、空気に触れると酸化し、自然に色が変化していくという。
そして、使用しなくなったTシャツは、土に埋めるだけ。わずか12週間でミミズの餌になる程までに生分解され、跡形もなくなる。
Tシャツの素材として多く使用されているコットンはリサイクルが難しい繊維と言われているが、こちらのTシャツは100%土に還り、新たな植物の生育にまで役立てることができるのだ。
また「藻類×ファッション」においては、イスラエルのスタートアップ企業Algaeing社が、藻類を使用して、生分解性、非毒性、低エネルギーの繊維を開発している。
This startup says it can create fabric made from algae, using less water than conventional textiles, while producing zero waste and pollution. https://t.co/0qtyZzniC7
— CNN (@CNN) October 18, 2021
原料の藻類は、同じくイスラエルの企業Algatech社が提供しており、太陽エネルギーで稼働する屋内の「垂直農園」で、海水を使用して育てられているという。つまり、コットンのように農地を占有せず、肥料使用に伴う二酸化炭素排出もゼロだ。
さらに、一般的なTシャツ1枚分の綿花を生産するためには、最大2,700リットルの淡水が必要と言われているが、Algaeing社の繊維は水の使用量を80%も削減できるという。
Algaeing社は、女性の創業者を対象とした世界初のグローバルコンペティション「VWS Pathfinder」で最優秀賞を受賞した。
「再生可能な藻類を利用することで、廃棄物や汚染をゼロにすることができる。気候変動に対して真のインパクトを与えたい」「私たちは新世代、新カテゴリーの製品を作っているのです」と、Algaeing社のCEO兼共同設立者であるRenana Krebs氏は述べている。
:https://edition.cnn.com/style/article/israel-algae-environment-textiles-spc-intl-hnk/index.html