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V2Hとは?仕組み・メリットをわかりやすく解説|電気自動車の電気を家庭で賢く活用

補助金 | 2025.04.18

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V2Hとは?仕組み・メリットをわかりやすく解説|電気自動車の電気を家庭で賢く活用

V2H(Vehicle to Home)は、電気自動車(以下、EV)に蓄えた電力を家庭で活用できる仕組みです。
災害時の非常用電源としての利用や、太陽光発電との連携による電力の自給自足など、活用の幅は広がっています。
本記事では、V2Hの基本的な仕組みから導入のポイントまで、EVを賢く使いたい方に向けてわかりやすく解説します。 

V2HはEVと家庭の電気を互いに使えるシステム

V2Hの主な特徴やその仕組みについてここで解説します。 

V2Hの特徴 

EVにためられた電気を家庭で使えるのがV2Hの最大の特徴です。停電の際には非常用電源として活用できます。
またV2Hを太陽光発電と連系させれば、日中に太陽光で作られた電気を夜に家庭で使うことも可能です。工夫次第で電気料金の削減にもつながります。V2Hは化石燃料の使用量を減らし、環境負荷を軽減する点でも注目されており、持続可能な社会の実現に貢献するシステムとして期待されています。 

V2Hの仕組み 

私たちは、家庭で交流電流を使用しています。そしてEVで使用するのは直流電流です。この2つは仕組みが異なるため、互いの電気をそのまま活用することはできません。V2Hシステムを介することで、交流と直流を互いに変換し、活用できるようになります。
直流電流はプラスとマイナスの向きが固定されていて、変化しない電気です。バッテリーや太陽電池などはこの直流電流で動作します。一方、交流電流はプラスとマイナスの向きが周期的に変化する電気です。一般的に家庭用として使用されています。
V2Hで交流と直流を変換することで、電気の活用の幅がより広がるといえるでしょう。 

V2Hのメリット

ここではV2Hのメリットを解説します。参考にしてください。 

非常用の電源として活躍 

V2HはEVを非常用電源として使うために不可欠なシステムです。V2Hを通じてEVに蓄えた電気を家庭用に使えるため、停電していても、照明や家電製品を稼働させられ、日常生活を維持できます。
大型EVの場合だと、搭載された大容量バッテリーは家庭用蓄電池の容量をしのぎ、数日分の電力を補うことも可能です。 

EVをスピーディに充電できる 

効率よく充電できることもV2Hのメリットです。6kWの出力を持ち、充電ステーションの急速充電器ほどの充電速度はありませんが、家庭用の充電コンセント(200V 3kW出力)に比べると効率がよく、充電時間を短縮できます。
EVを家庭で充電する際、EVの充電口は普通充電を使うのが一般的ですが、V2Hは急速充電ポートを使用します 

太陽光発電と連系すると電気の自給自足が可能 

太陽光で作られた電気をV2Hに連系すれば、電気の自給自足が可能になります。電気代の節約にもつながり、環境改善にも貢献できるでしょう。
自給自足した電気は、もちろんEVの充電にも使えます。太陽光発電はCO2を排出しないクリーンなエネルギーです。このクリーンな電気を、走行中にCO2を排出しないEVに用いることは、地球温暖化の抑制に貢献できます。
自宅にすでに太陽光発電システムがあり、V2Hと連系させる場合、パワーコンディショナー(太陽光で発電した直流電流を家庭用の交流電流に変換する機器)がV2Hに対応しているか事前に確認しましょう。 

V2Hのデメリット

V2Hは、環境改善に寄与する便利なシステムですが、導入には課題や注意点も存在します。ここではV2Hのデメリットをまとめました。  

導入にコストがかかる 

V2Hは、初期費用が高額という点がネックとなっています。これは、EVのバッテリーと家庭の電力を安全かつ効率的に接続するため、高性能な機器が必要になるためです。
V2Hのための新たな電気回路が必要になるため、専門業者による工事も必要です。機器本体と設置工事費用も合わせると、100万円を超えるケースも少なくありません。
ただし、V2Hの導入は補助金の対象です。2024年度は機器と工事費を合わせて45万円の補助金が交付されました。2025年度の補助金については、2025年4月時点ではまだ正式に発表されていませんが、近く予算が決定される見込みです。
V2Hにかかる費用や補助金について、以下の記事でも解説しています。
V2Hの価格と設置費用は?補助金情報やおすすめ機種も解説 

変換ロスが発生する 

V2H は、EVにためられた直流電流を家庭で使える交流電流に変換する仕組みを備えています。しかし、この変換過程において変換ロスと呼ばれるエネルギーの損失が避けられません。一部の電力が熱エネルギーなどに変換され、失われてしまいます。
ただし、太陽光発電で作られた直流電流をEVに充電するには、蓄電池、EV、そして太陽光発電の電気を1台で制御できる トライブリッドのパワーコンディショナーを採用すると、変換ロスを最小限に抑えられます。 

CHAdeMO規格以外のEVに対応していない 

V2Hは現在、急速充電規格CHAdeMOのEVにのみ対応しています。テスラや他の急速充電規格には対応していません。
これは、V2Hが日本で開発されたシステムでCHAdeMO規格との連携が最も進んでいるからです。EVを非常電源として活用する考え方は、災害の多い日本ならではのものともいえるでしょう。 

V2Hの導入が適している人

V2Hの導入に適している家庭やライフスタイルの特徴を紹介します。導入の効果を最大限に引き出すためには、住環境やEVの利用状況との相性が重要です。

設置スペースが確保できる 

V2Hの導入は、まず自宅に十分な設置スペースが必要です。そしてEVの充電口に無理なく接続できる場所に設置することが求められます。
また、機器本体だけでなく、メンテナンスを行うためのスペースも必要です。機器の両端から80cm程度、上部に50cm程度のスペースを確保しましょう。
V2Hの設置費用については、以下の記事をお読みください。
V2Hと電気の自給自足|価格・設置費用を徹底解説!メリットやデメリットも 

EVユーザーまたはEVシフトを検討している 

EVユーザー、またはこれからEVを導入予定の方にV2Hはおすすめです。EV充電と家庭への電力の供給がV2Hの1台ででき、より効率的なエネルギー利用を実現できます。
国や多くの自治体でV2H設置に対する補助金制度が実施されています。この補助金を受けるためには、EVを所有しているか導入の予定があることが条件となっている場合がほとんどです。 

EVの走行量が少なめ 

EVは蓄電池として使えることがガソリン車との相違点です。V2HでEVの余剰電力を家庭で使用でき、電気料金の削減や災害時の備えに役立ちます。 
V2Hで家庭に電力を供給する場合、EVが駐車していることが前提です。このため、 EVを頻繁に使用しない、近距離移動が多いなど走行距離が少ない人に適しています。 

V2Hは補助金の対象

これからV2Hを検討する方にとって嬉しいポイントが、補助金制度です。ここでは、補助金の申請手続きの流れについて詳しく説明します。 

CEV補助金 

国から支給されるクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(以下、CEV補助金)は、 EVや充電設備の導入を促進するために設けられたもので、V2Hシステムも対象です。
2024年度のV2Hの補助金額は、機器購入費の1/3(上限30万円)、工事費上限15万円です。2024年度はすでに受付が終了しましたが、来年度以降も補助金が出る可能性はあるでしょう。
CEV補助金については、以下の記事をお読みください。
CEV補助金とは?EV購入時に知っておきたいお金の知識

自治体からの補助金 

V2Hの導入にはCEV補助金に加え、お住まいの自治体から補助金が受けられる場合もあります。たとえば、東京都の補助金制度では設置価格の1/2(上限50万円)が交付されます。V2Hの導入を検討している方は補助金制度をぜひチェックしてください。
東京都の補助金については、以下の記事をお読みください。
EV購入の補助金は東京都でいくらになる?ガソリン車よりもお得?

まとめ

V2Hは、EVを単なる移動手段にとどめず、家庭のエネルギー源へと進化させる画期的な仕組みです。持続可能な社会の実現に向け、私たちの暮らしを大きな変革をもたらすといえるでしょう。ぜひこの機会にV2Hを理解し、ご自身のライフスタイルに合った活用方法を見つけてください。 

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