日本特有の食べ物とは何か?と尋ねられればなんと答えるだろう。
寿司?納豆?味噌?海藻?生卵?
様々な日本食が思い浮かぶ。しかし、上記のどれかがサステナブル社会実現に向けて重要な役割を担うかもしれないというのだからおもしろい。
なんと、コンブを含む海藻類が気候変動対策に役立つことをオーストラリアの科学者たちは数え切れないほど明らかにしているのだ。
Seaweed Could be Food, Fuel, and Sustainable Material of the Future, Researchers Say 🌊
Australian scientists have been uncovering a near-unending list of ways kelp and other kinds of #seaweed can help in the fight against #ClimateChange.https://t.co/2JPX1BNNzY
— Good News Network (@goodnewsnetwork) May 19, 2021
「海のインフラを利用して海藻の島を作れば、現在抱えている気候変動問題の多くを解決できるでしょう」と、海藻の研究と収穫を続けているPia Winberg博士は述べている。
しかし、なぜ海藻なのだろうか。
その理由は海藻が持つ「成長速度」と「炭素吸収能力」だという。
飼育したことがある人なら理解できると思うが、彼らの成長は非常に早く、地上に生息する植物よりもはるかに早いスピードで炭素を吸収する能力を持っている。
さて、ここで気になるのは、そのスピードだ。
なんとケルプ(コンブ科に属する大きな海藻類をまとめて呼ぶ通称)は、最適な条件下であれば1日に2フィート(約60cm)も成長する。その上、陸上の作物などのように窒素を含む肥料も、除草も必要ない。
さらに、海藻も陸上植物と同様に、光合成によってCO2を吸収しバイオマス(再生可能な有機性資源)を生み出すのだが、その割合はなんと森林の50倍とも言われている。
ある研究によると、カリフォルニア州の沿岸水域の3.8%をケルプの養殖に回すだけで、同州農業部門からの炭素総排出量を吸収できるそうだ。
また、ケルプがCO2を吸収することで周囲の海水の酸性度が下がり、魚介類が育ちやすい環境になるという研究結果もある。この脱酸作用が大規模に作用するようになれば、海の生態系全体の改善につながるかもしれない。
数年前、アマゾン熱帯雨林が大火災になった際「地球の肺」という言葉をよく耳にした。
しかし、実際に海藻の凄まじい能力を知ると、真の地球の肺は海藻なのではないかと考えざるを得ない。
太陽光を浴び光合成をするように、海藻が注目という光を浴びることで、栄養満点のスーパーフードから世界を救い出すスーパーヒーローになる日はそう遠くないのかもしれない。
Source :Seaweed is the Food –and Fuel– of a Sustainable World, And it May Start in Australia