電気自動車(以下、EV)の購入を検討している方のなかには「BYDの車ってなぜ販売台数が多いの?」「どのような魅力があるのだろう」と気になっている方も多いでしょう。BYDのEVは機能性が高いにも関わらずリーズナブルであったり、標準装備が充実していたりと魅力が豊富です。
この記事では、BYDの魅力はもちろん日本でのラインナップを3種類すべてを紹介します。また、BYDがどのような会社なのかも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
BYDのEVの魅力とは
昨今よく耳にするBYDにはどのような魅力があるのか紹介します。独自に開発された車の性能や装備について深堀りしましょう。
独自開発されたブレートバッテリーやプラットフォーム
BYDは、車に独自の開発技術を採用しています。例えば、最先端のバッテリー「ブレートバッテリー」です。ブレードバッテリーは、熱安定性の高いリン酸鉄リチウムを使用し、刀のように長くて薄い形状にすることで、航続距離や寿命の長さを実現しています。
さらに、BYDはバッテリーの利点を最大限活かすための専用のプラットフォーム「e-Platform 3.0(イープラットフォーム3.0)」を開発しました。エンジンやマフラーを搭載しないEVならではの広々とした車内空間を作るほか、安全性や効率性も高めています。
快適にドライブするための機能が標準装備されている
BYDのEVは標準装備が充実している点が特徴的です。走行速度を自動的に調整し、前方を走っている車と一定の車間距離を保つアダプティブクルーズコントロールや、追突する恐れがある際の衝突予測警報などの運転支援機能も標準装備されています。
また、インテリアでも15.6インチの電動回転式タッチスクリーンや合皮シートなどが採用されています。加えて、手が離せない運転中に活躍する「日本語音認証機能」がついており、音声によるエアコンの設定やサンルーフの開閉などができるのも特徴です。
他のメーカーから販売されているEVに比べるとリーズナブル
EVは車両価格が500万円以上の車種が多いです。しかし、BYDはDOLPHINのスタンダードモデルが363万円から購入できます。
BYDではリーズナブルな価格を実現するために、車内の部品を9割自社で製造しています。外注にかかるコストを抑えた結果、リーズナブルな価格での提供が可能になりました。なお、他のEVと同様に、補助金の活用もできます。
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BYDのEVラインナップ
BYDは2024年11月現在、日本で3つのEVを販売しています。
SEAL | ATTO3 | DOLPHIN | |
車両価格 | 528万円~ | 450万円~ | 363万円~ |
特徴 | 高級感のあるスポーツセダン | 走りやアクティブさを重視したミドルサイズSUV | コンパクトでリーズナブル |
サイズ | 全長:4,800mm 全幅:1,875mm 全高:1,460mm |
全長:4,455mm 全幅:1,875mm 全高:1,615mm |
全長:4,290mm 全幅:1,770mm 全高:1,550mm |
航続距離 | SEAL:640km SEAL AWD:575km |
470km | DOLPHIN:400km DOLPHIN Long Range:476km |
受電受入れ能力 | 普通6kW 急速105kW(最大) |
普通6kW 急速85kW(最大) |
普通6k WDOLPHIN:65kW DOLPHIN Long Range:85kW |
それぞれを詳しく見ていきましょう。
SEAL
SEALは、2024年6月に登場したばかりのスポーツセダンタイプです。最大トルクは360Nm で航続距離は640kmと力強い走りをしてくれます。
新車価格 | 528万円~ |
航続距離 | SEAL:640km SEAL AWD:575km |
乗車定員 | 5名 |
電費( WLTCモード) | 148Wh/km |
最大トルク | 360Nm |
安全性を評価する欧州の「EURO NCAP」では、衝突試験の安全性評価が最高評価の5つ星を獲得しています。ブラックで統一された車内や、運転席と助手席の間にある大きなタッチパネルにより、高級感があるデザインも特徴です。
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ATTO3
ATTO3は、走りやアクティブさを重視したい方にうってつけのミドルサイズSUVです。
新車価格 | 450万円~ |
航続距離 | 470km |
乗車定員 | 5名 |
電費( WLTCモード) | 139Wh/km |
最大トルク | 310Nm |
走行時の空気抵抗を表すCd値が0.29に抑えられています。そのため、高速道路を運転していても空気抵抗をそれほど感じません。加えて、予防安全技術や駐車時に便利な360度モニターなどの機能も充実しています。
近未来的なSUVデザインを採用しており、特にドアハンドルのデザインが特徴的で円形になっています。加えて、このドアハンドルはスピーカーと一体になっている点も斬新です。
DOLPHIN
リーズナブルなEVやコンパクトなサイズ感の車がほしい方に向いているのがDOLPHINです。
新車価格 | 363万円~ |
航続距離 | DOLPHIN:400km DOLPHIN Long Range:476km |
乗車定員 | 5名 |
電費 | DOLPHIN:129Wh/km DOLPHIN Long Range:138Wh/km |
最大トルク | DOLPHIN:180Nm DOLPHIN Long Range:310Nm |
海を泳ぐイルカをイメージして作られたデザインで親しみやすさがあります。購入時の補助金として65万円を受け取れるため、実質298万円で購入できるのも魅力です。低価格ながらBYDならではの回転式ディスプレイや、安全性能が標準装備されています。
BYDってどんな会社?
魅力的なEVを製造しているBYDがどのような会社なのか気になる方は多いでしょう。中国で誕生し、世界一位のEVとプラグインハイブリッド(PHEV)の販売台数を誇る会社について解説します。
中国で誕生したEVの会社
BYDは1995年に中国で誕生しました。事業内容はITエレクトロニクス、EV、新エネルギー、モノレールと多岐にわたります。以下はBYDグループの日本にある乗用車販売サービス専業会社の情報です。
会社名 | BYD Auto Japan株式会社 |
代表取締役 | 東福寺 厚樹 |
設立 | 2022年7月4日 |
主な事業内容 | BYD製の車の販売 アフターサービス提供 |
売上高 | 51億4,628万円(2023年) |
BYDはもともと電化製品や携帯電話のバッテリーメーカーとして創業しました。そして、バッテリーメーカーとして培ってきた技術を生かし2003年に自動車産業に参入します。
EV事業参入後の売上高及び営業利益は右肩上がりで、中国では9年連続NEV販売台数第1位を獲得しています。
2023年はEV世界販売台数1位
BYDは2023年に世界でEVとPHEVの合計販売台数で1位を達成しました。特に2023年は、2022年の91万台から300万台と大きな飛躍を遂げています。
BYDは2023年の販売台数について、輸出の飛躍とグローバル化や広範なブランドシリーズと市場からの力強い反応があったことを挙げており、今後も右肩上がりの成長が期待できるでしょう。
幅広い世代に対応した対面販売
2023年に日本でもEVの販売を開始したBYDは幅広い世代に販売するために対面販売を行っています。EV専業の輸入車はオンラインのみの販売が多い中、日本全国に58店舗もの正規ディーラーを構えており(2024年11月現在)、オンラインになじみのない世代でも購入がしやすいです。
なお、日本で販売するEVは、日本の左側通行の公道に合わせてウィンカーを右側に仕様変更しています。日本のユーザーに向けて、使いやすいように工夫を凝らしていることがわかります。
BYDのEVに関してよくある質問
BYDのEVに関してよくある質問に3点答えます。
購入した際の保証はどのくらいありますか?
BYDのEVでは、新車保証がついていて新規登録から4年目までは、基本的な保証がすべて受けられます。バッテリーの保証は8年または走行距離15万kmのいずれかです。加えて、追加料金を払えば保証の期間を延長できます。
BYDは日本でも販売台数を伸ばしていますか?
BYDは日本でも販売台数を増やしています。2024年1~8月の販売台数は約1500台で、2023年から112%増えたことが発表されました。
BYDの車は日本でも充電できるの?
BYDは中国の企業ですが、日本でも他のEVと同様に充電が可能です。普通充電ではJ1772、急速充電ではCHAdeMOの規格が採用されています。自宅では充電用コンセントにケーブルをつないで充電でき、外出先では、高速道路のSAやPA、商業施設などに設置されているCHAdeMOの急速充電器を使えるため安心です。
まとめ
この記事では、BYDについて解説しました。BYDは中国で誕生し、2023年に日本でも販売を開始したEV事業などを営む会社です。
BYDのEVは高い性能を持ちながら車両本体価格がリーズナブルだったり、オプションを付けなくても多くの装備が標準装備されていたりとメリットが多いです。また、販売中の車種であるSEALやATTO3、DOLPHINのそれぞれに魅力があります。初めてのEVとしてもうってつけな車ばかりのためぜひ検討してみてください。