電気自動車(以下、EV)は、各メーカーからさまざまなモデルが登場しています。EVの開発は、今や地球温暖化抑制や環境汚染の軽減に欠かせないミッションです。
しかし、世界でのEV普及率はまだ18%程度にとどまっています。そのうち日本での普及率は、EVとFCEV、PHEVを合わせて2.6%です。まだ私たちの暮らしの中になじみが薄いEVですが、その機能は日進月歩で進化しています。
当記事では、最新モデルのEVを解説します。新型のEVでも、補助金が充実した今ならリーズナブルな価格で購入することが可能です。今後のカーライフを快適で持続可能なものにするために、最新のEV情報をチェックしてみましょう。
EVの時代到来!現代はまさに車の変革期
自動車産業は、大きな変革期の最中にいると言えます。ここでは、EVをとりまく環境の変化を解説します。
100年に一度の変革期!各メーカーはEVの開発に意欲的
ホンダは「2030年までにグローバルでの販売比率の5割をEVに、2040年までにはすべてをEVとFCEVにする」と提唱しています。ほかにも国内自動車メーカーは、各社とも環境配慮への取り組みとしてEV開発に積極的な姿勢を見せています。
将来的な話だけでなく、2022年に発売された初の軽EV「日産サクラ」は爆発的なヒットを記録しました。デジタル化やカーボンニュートラルへの対応に伴い、自動車産業は変化の時代を迎えているといえるでしょう。
EVの開発は自動車メーカーだけにとどまらない
EVの開発は自動車メーカーだけにとどまりません。大手総合電機メーカーのソニーは、ホンダと共同でEVを開発するため、2022年にソニー・ホンダモビリティ株式会社を設立しました。他にも、シャープが電子機器を受託生産する世界最大手の企業ホンハイと提携し、EVのコンセプトモデルの開発を発表しています。
電気をエネルギーとするEVの開発は、自動車メーカー以外に電機メーカーなど他産業も関心を持つ分野といえるでしょう。
EVの普及に向けてインフラも充実
EVの普及には、充電環境の充実も不可欠です。現在は、全国に急速・普通充電器合わせて約4万口の充電器が設置されています(2024年4月時点 参照:経済産業省)。経済産業省は、さらにEV充電器を2030年までに30万口まで増やす目標を掲げました。
マンションなど、自宅に充電器を設置しづらい環境でもEVの充電がしやすくなり、今後EVがますます利用しやすい環境になるといえるでしょう。
新型EV|これからどうなる?
EVの進化は、日々加速しています。CO2を排出しない次世代の移動手段となるEVは、今後さらに高性能化が進むでしょう。ここでは、新型EVの価格や機能の動向を解説します。
価格帯
EVはガソリン車に比べると車両価格が高い傾向です。これは、現在はまだ開発にお金がかかることや、バッテリーに使われるレアメタルの調達が難しいことが理由として挙げられます。
しかし、近年は中国のBYDや韓国のヒョンデなどからリーズナブルなEVも登場しています。BYDのEVが安い理由は、電池メーカーとして培った技術をEVのバッテリー開発に活用しているからです。また、ヒョンデのEVも販売ルートをオンラインのみに絞るなど、徹底したコストカットを実施しています。
補助金
EVの購入には、補助金の交付が大きな後押しとなります。補助金は大きく分けて、国から交付されるCEV補助金と、地方自治体から交付される補助金の2種類があります。
CEV補助金は車種によって異なりますが、最大85万円まで交付されます。軽EVの日産サクラなら55万円、普通車クラスの日産リーフなら満額の85万円が交付されます。令和7年度のCEV補助金は、令和7年3月ごろに国会で予算が成立する見込みです。
CEV補助金の他に、地方自治体からも補助金が受けられる可能性があります。補助金額は地域によって異なりますが、東京都では最大45万円まで交付されます。外部給電機能の有無など、EVの機能によって補助金額が変わるため事前に確認しましょう。
EV購入のお金のメリット:最新の税制優遇・補助金情報と賢い活用術
航続距離
現在は、量産型EV日産リーフの登場からおよそ15年が経ちました。当初は200kmに満たなかった航続距離も、徐々に伸びています。さらに、テスラModel3など、新しいEVでは航続距離が700kmを超えるモデルも登場しています。多くのEVは、普通車クラスで400~500kmの航続距離が平均的です。
航続距離は、今後の電池技術の向上に伴ってさらに延びる可能性があります。いくつかの自動車メーカーは、現代のEVに多く使用されているリチウムイオン電池に代わる全固体電池の開発に乗り出しました。2030年ごろの実現を目指していますが、完成すればリチウムイオン電池よりも短い充電時間でより長い距離の走行が可能になるでしょう。
電気自動車の航続距離は一充電でどのぐらい?気になる電欠対策も解説
機能
いまや生活にないことが想像すらできないスマートフォンは、EVとも切り離せない存在になっています。「EVのバッテリー残量をスマートフォンで確認する」「スマートフォンで乗車前にEVの車内温度を快適にする」など、車外にいてもEVとつながることが可能です。今後はさらに便利な機能が進化するでしょう。
新型EVの傾向として注目されているのが、ディスプレイ機能の充実です。現在も一部のEVでは、方向指示器を出した際に曲がる方向の死角となる部分をディスプレイに表示する「ブラインドスポットモニター」が搭載されています。ディスプレイは音響やナビゲーションだけでなく、今後は人の目をサポートするものとして進化するでしょう。
新型EVのラインナップ
世界中で普及が進むEVは、技術の進化とともに多彩なモデルが登場しています。ここでは2024年に発売されたEV、また今後発売される予定のEVを紹介します。
メーカー |
モデル |
価格 |
バッテリー容量 |
航続距離 |
特徴 |
日 産 |
クリッパーEV |
286万5,000円~ |
20kWh |
180km |
軽商用EV。日産の先進運転支援システムADAS搭載。 |
ホ ンダ |
N-van e: |
269万9,000円~ |
29.6kWh |
245km |
軽貨物バンN-vanのEV。軽EVでは大容量。 |
フ ォード |
エクスプローラー |
760万円~ |
52kWh /77kWh |
605km |
全長4.5M以下のCセグメントSUV。 |
ソ ニー・ホンダモビリティ |
アフィーラ |
未定 |
91kWh |
483km |
自動運転機能を充実させた車内でのエンターテインメントを楽しめるようなEV。2026年に北米で生産開始予定 。 |
ポ ールスター |
4 |
約1,015万円 |
102kWh |
511km |
スウェーデンのメーカー。中国や欧州ではすでに販売されている。2025年後半には韓国で発売開始予定。 |
まとめ
EVは技術革新や環境意識の高まりを背景に、ラインナップがますます充実しています。各メーカーが競い合って魅力的なモデルを次々にリリースしている状況です。今後もさらなる進化が期待されるEVは、快適さと環境配慮を両立する次世代のモビリティとして、私たちになじみ深い移動手段へと発展するでしょう。