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電気自動車(EV)の車検はガソリン車と同じ?検査内容や費用の違いを解説

EV | 2024.10.16

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電気自動車(EV)の車検はガソリン車と同じ?検査内容や費用の違いを解説

電気自動車(以下、EV)を購入する際に「車検はどうするのだろう?」と戸惑う人は多いのではないでしょうか?構造がガソリン車と大きく異なるEVは、車検に対して特別なルールがあるように感じるかもしれません。
車検は、車そのものの検査というより「公道を走る車に適しているか」という点から、安全基準や環境基準を満たしているか検査する制度です。そのため、公道を走る車として、EVとガソリン車は同じように車検を行います。
ただ、ガソリン車にあってEVにはない部品など、構造が異なることによる検査内容の違いはあります。当記事では、EVの車検についてガソリン車との違いや費用を解説します。

EVの車検はガソリン車とどう違う?

車検とは、車両が公道を走るための基準を満たしているかどうかの検査です。EVはガソリン車と同様に車検が必要ですが、内容にいくつかの違いがあります。ここで解説します。

車検のタイミングはEVもガソリン車も同じ

EVの車検はガソリン車同様、初回は新車登録から3年目、以降2年ごとに受ける必要があります。車検のタイミングは、自動車税のように通知書の案内が届くわけではないので、車検証や車内に貼られたステッカーを見て、自分で把握しておくことが必要です(EVを購入したディーラーや販売店から通知書が送られてくる場合もあります)。
たいていの場合、車検には予約が必要で、前回車検の有効期限満了日の約1ヵ月前から受けられます。満了日を過ぎた車は公道を走ることができないため、満了日ギリギリに受けるのではなく余裕をもって予約しましょう。

EVの構造上、車検の内容はガソリン車と異なる

EVの車検で、ガソリン車と異なる点は以下のとおりです。

排気ガス検査がない

排気ガスの中に含まれている一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を測定する検査です。他に車の排気音を抑えるためのマフラーの騒音テストも含まれます。検査基準を超えている車は公道を走ることができません。
EVは排気ガスが出ないため、これらの検査は不要です。

オイル漏れ検査がない

ガソリン車では、エンジンの継ぎ目などからオイルがにじんでくることがあります。オイル漏れがあると検査に通らないため、事前に修理が必要です。
エンジンがないEVではこの検査も必要ありません。

法定点検は車検のタイミングで受けるとスムーズ

車が安全基準を満たしているかどうかを検査する車検に対し、車の部品の劣化状況などを点検するのが、法定点検です。自家用車の場合12ヵ月点検と24ヵ月点検があります。
EVの法定点検では、ガソリン車と異なり以下のメンテナンスが不要です。

  • 原動機
  • クラッチ
  • 点火装置
  • マフラー
  • ファンベルト
  • エンジンオイル
  • エレメントオイル
  • エアクリーナー

法定点検は受ける義務がありますが、受けなくても罰則はありません。また、車検のタイミングに合わせて実施すると忘れにくいためおすすめです。法定点検を受けて交換した部品なら、基準を満たしているため車検もスムーズです。

車検不要のEVミニカーとは?

一人乗りの電気自動車(EVミニカー)は、第一種原動機付自転車(原付)と同じ扱いになり車検が不要です。自動車の保管場所を証明する車庫証明書も必要ありません。
EVミニカーは原付と同じ扱いですが、30km/hの制限はなく、60km/hで公道を走ることが可能です。EVミニカーには航続距離が約100km~150kmの車種もあります。給電装置が付いているEVミニカーなら、停電時や災害時の電源としても使用できます。

EVの車検が受けられる場所

EVの車検が受けられる場所はガソリン車と同じです。ここではEVの車検を受けられる場所と、選び方について解説します。

依頼車検:販売店などで車検を出す場合

車検はカーディーラーなどお店に依頼するのが一般的です。車検は主に以下の場所で依頼できます。

カーディーラー

EVを購入したカーディーラーなら、安心して車検を依頼できます。カーディーラーでの車検は、法定点検を兼ねて依頼すると、(ブレーキパッドなど)を社外品ではなくメーカー純正の部品と交換できるため安心です。スタッフもそのメーカーの車の知識に詳しいため、的確な整備を受けられるでしょう。

カー用品店

規模の大きなカー用品店では、車検を積極的に受け付けています。お店によっては日帰りの車検も可能です。他にも車検後のメンテナンスがお得になるなど、特典がつくこともあります。カー用品店での車検は、交換が必要な部品を安く購入できることがメリットです。

ガソリンスタンド

EVにガソリンは不要ですが、車検の受付をしているガソリンスタンドならEVも依頼できます。ガソリンスタンドで車検を受けるメリットは、手軽さと費用の安さです。ただ部品の交換が必要な場合、取り寄せに時間がかかることもあります。

整備工場

車検が受けられる整備工場は、主に認証工場と指定工場の2種類です。車検用の検査ラインを保有している指定工場は民間車検場とも呼ばれます。カーディーラーやカー用品店も車検用の検査ラインがあれば指定工場に該当します。工場によっては日帰り車検などスピーディーな対応が可能です。

車検専門店

車検専門店は、スピーディーな対応とわかりやすい価格設定がメリットです。車検専門店の車検の特徴は、ほぼ自動車重量税など検査にかかる必要経費と代行手数料で構成されていることです。部品に劣化が見られても、車検に通る基準を満たしていれば、交換することはありません。

ユーザー車検(直接検査場で車検を受ける場合)

車検をお店などに依頼せず、直接検査場に持ち込んで車検を受けることをユーザー車検と言います。ここではEVのユーザー車検について解説します。

国土交通省 地方運輸局(陸運支局)

EVもガソリン車同様、ユーザー車検を受ける場所は陸運支局です。ユーザー自身で車検を通せば、車検専門業者に支払う手数料が省けます。
ユーザー車検を受けるためには、事前に自分で検査項目をチェックし、消耗している部品の交換を済ませておくことが必要です。また、ユーザー車検を受けるには、予約しておく必要があります。
車検は、少し見ただけではわかりづらいライトの光軸の向きなども検査の対象です。一度で確実に車検を通したい人のため、車検の直前にチェックを有料で受けられるテストセンターもあります。

排気ガス検査

軽EVとは、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下のEVを指します。ガソリンを燃料とする軽自動車には、「排気量660cc以下」という基準がありますが、EVの場合は排気量がないため、ボディサイズのみで区分されます。
軽EVのユーザー車検は、軽自動車と同じように自治体の軽自動車協会に持ち込みます。普通車のユーザー車検と同じく事前に予約が必要です。軽自動車協会のホームページから予約できます。

EVの車検にかかる費用

車検費用には必ずかかる費用と、部品の交換など車両の状態によって異なる費用に分かれます。

検査手数料(印紙・証紙)

検査場で検査を受けるために必要な手数料です。検査手数料は印紙・証紙で納付します。車によって違いがありますが、2,200円~2,300円です。車検手数料に使われる印紙・証紙は車検専用のもので、収入印紙などでは代用できないため注意しましょう。

保険・税金

以下の保険や税金は、依頼車検もユーザー車検も同様に車検のタイミングで支払います。

自賠責保険料

自賠責保険は自動車やバイク、原付に加入が義務付けられている保険です。運転中に誤って他人を負傷させたり死亡させたりした際に、被保険者が損害賠償責任を補償します。
保険料は車種や契約期間によって異なります。主な保険料は以下の通りです。車の自賠責保険は、購入時と車検時のタイミングで支払います。そのため新車登録時には初回車検時までの36ヵ月、以降は24ヵ月分の支払いが一般的です。

12カ月  1万1,500円
24カ月 1万7,650円
36カ月 2万3,690円

自動車重量税

自動車重量税は、車の重量や経過年数に応じて課せられる国税です。自賠責保険と同じように車の取得時や車検時に次の車検までの年数分を支払います。
車両重量0.5トンごとに年間3,300円が課税されます。
例えば、2トンまでの車両(マツダmx-30 ev model、BYD ATTO3など)なら、取得時は3年後が車検になるため、3年分で3万9600円が必要です。
ただし、EVの場合はエコカー減税の対象に該当するため、登録時と初回車検時の重量税は免除されます。

代行手数料

依頼車検では、カーディーラーや整備工場など依頼先に支払う手数料が必要です。ただ、代行手数料は依頼先によって差があります。

車検依頼先への手数料

車検の代行手数料は、明細書に車検の合計金額から法定費用(自賠責保険、自動車重量税、検査手数料)と、整備費用を差し引いた金額が代行手数料です。
車検専門店などでは「基本車検料」などとして、わかりやすく表示されていることもあります。

整備費用

車検の検査項目にある基準を満たしていない車は検査を通過できません。そのため、車検の前には点検整備が不可欠です。整備が必要になる主な消耗部品は以下の通りです。

消耗部品の例

  • タイヤ(摩耗度・溝の深さ)
  • ガラス(ひびなどがないか)
  • ワイパー(作動状況など)

これらの部品が劣化している場合、車検に通らないため事前に交換しましょう。

まとめ

当記事ではEVの車検についてお伝えしました。EVユーザーはまだ少なく、車検に関する情報もさほど多くありません。しかし基本的な考え方はガソリン車と同じです。大切なEVで安心して公道を走るため、車検は信頼できるところで受けることが大切です。正しいメンテナンスが、より安全で快適なEVライフをサポートしてくれるでしょう。

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