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「電気自動車を中古で買うのはどうなのだろう」「中古で買ったらすぐ壊れないかな」と感じる方も多いでしょう。電気自動車(以下、EV)は中古で買っても日常使いなら問題なく使用できます。
この記事では、EVを中古購入するのに向いている人やメリット・デメリットを解説します。気になる税制優遇や中古車を買う方法についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
EVを中古で買うメリットとデメリットは?
EVを中古で買う場合は新車で購入する場合と何が違うのか表にまとめました。
メリット |
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デメリット |
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メリットやデメリットを詳しく見ていきましょう。
EVを中古で買うメリット
EVを中古で購入するときのメリットは次の2点です。新車で買う場合と比べてどのような点がよいのか把握しましょう。
メリット①新車に比べて価格が安い
中古EVを買うメリットは、中古のガソリン車と同様に価格が抑えられることです。
EVはバッテリーが高価な分、軽自動車であっても車両本体価格が250万円程度かかってしまいます。
しかし、中古車なら、車種によっては新車価格の半額以下で購入できる可能性があります。ただし、ガソリン車よりも流通数が少ないため、中古EVの価格は多少割高な傾向です。
メリット②中古車もガソリン車に比べて税制優遇される
EVはガソリン車に比べて、自動車税や車検時に支払う税金が優遇されています。中古車であっても税金が減るのは、以下の2つです。
特徴 | 減税率 | |
エコカー減税 | 車検時に支払う自動車重量税の減税 | 100% |
グリーン化特例 | 毎年支払いのある自動車税の軽減措置 | 概ね75% |
ガソリン車よりも、税金面でコストが抑えられます。
メリット③初めてのEVとして中古車ならリスクとハードルが低い
初めてのEVを中古車にすればリスクとハードルを下げられます。EVの良し悪しはディーラーでの試乗やレンタカーではわからない点がありますが、自分のライフスタイルに合うのか答えが出せるでしょう。
もし、中古EVに不便さを感じても、最新の車種なら改善されている場合もあるでしょう。また、求める性能がはっきりするため、次にEVを購入する際の参考になります。
EVを中古で買うデメリット
中古EVにはメリットが多いように思えますが、デメリットもあります。性能面や補助金面でのデメリットを詳しく見ていきましょう。
デメリット①新車とは異なり補助金が受けられない
中古EVを購入する際は、新車EVとは異なり補助金を受けられません。EVを新車で購入すると、場合によっては100万円近く補助金を受けられます。そのため、中古車を購入するよりも新車のほうがお得に感じるかもしれません。
まずは、購入したい中古車と新車の価格差を事前に確認してから、購入を決めましょう。また、EVの新車を購入する際の税制優遇に関して詳しく知りたい方はこちら(EV購入のお金のメリット:最新の税制優遇・補助金情報と賢い活用術)をご確認ください。
デメリット②バッテリーが劣化している
EVのバッテリーに入っている電池は「リチウムイオン電池」です。充電や放電を繰り返すリチウムイオン電池は、継続使用するとバッテリーが劣化し、寿命は8年と言われています。そのため、中古EVの場合は使用できる期間がガソリン車よりも短い可能性があります。
また、バッテリーの性能を保証するサービスがついている場合もありますが、中古車は新車と比べて早い段階で修理が必要になるリスクも考慮しておくとよいでしょう。
デメリット③機能や性能が古い
ガソリン車同様、機能や性能が最新のモデルに比べて劣ります。例えば、日産のリーフは新型と旧型で航続距離に差があったり、安全性能が異なったりします。現在の感覚で旧型に注目した場合は、航続距離が短いと感じ、用途が限られてしまうかもしれません。
特にEVは、2010年前後から国産で販売されるようになった比較的新しい車の形です。ここ数年で性能が向上しているからこそ、少し古いモデルでさえ性能に物足りなさを感じるかもしれません。
中古EVの選び方
中古EVを購入する場合は、以下の点に留意して選びましょう。
- モデルと価格帯
- 走行距離とバッテリーの状態
- 信頼できる販売店
それぞれ解説します。
モデルと価格帯
購入を検討しているモデルの新車価格と中古車価格を比較しておきましょう。新車は補助金の対象になるため、予想よりも安くなる場合があるため、本体価格だけを確認するのでなく、見積もりをとるのがおすすめです。
また、安く手に入れたいならモデルチェンジ後、状態の良い車を買いたい場合は、未使用車が狙い目です。
走行距離とバッテリーの状態
中古EVは新車に比べて、バッテリーが劣化しています。EVはバッテリーが劣化すると電気を蓄える力が衰え、長距離運転ができなくなるでしょう。最悪の場合、使用もできなくなります。
車種によってはバッテリーの状態がパネルで表示され、判断できます。バッテリーのコンディションをチェックできない車種のほうが多いのが現状です。購入前にはスタッフさんに話を聞いてみましょう。
信頼できる販売店
中古のEVは部品とトラブルが発生しやすいため、購入後に後悔しないためにも信頼できる販売店を利用しましょう。特にガソリン車と変わらず、中古車を取り扱っているディーラーや中古車販売業者から買うことができます。
長期保証を付けたい場合は、ディーラー認定車がおすすめです。
おすすめ中古EV3選
中古EVのなかでも、おすすめの車種を3つ紹介します。
- 日産 リーフ
- 三菱 i-MiEV
- BMW i3
それぞれの魅力について見ていきましょう。
日産 リーフ
日産から販売されているリーフは日常使いだけでなく、遠出にも向いてる車種の一つです。新型の日産リーフなら、60kwhのバッテリーを乗せているため一充電で450kmを走れます。価格は年式によっても異なりますが、初代モデルは特にリーズナブルです。
三菱 i-MiEV
三菱のi-MiEVは現在販売が終了しているため中古車としてしか購入ができません。中古車市場に出回っている台数が少ないため、年式によって価格差が少ないのが特徴です。比較的新しい車体でも60万円程度から購入できます。
BMW i3
BMWのi3は2012年から2022年まで生産されていた車種です。BMW初となる量産型の完全に電気で走る車で、現在は中古車でしか販売されておらず、150万円はする車体がほとんどです。これまでの走行距離が短く寿命の長い車体が多く出回っているため、状態の良い中古EVを選びたい方におすすめです。
中古EVの注意ポイント
中古車EVを購入する場合は、どのようなポイントを確認したらよいのかまとめました。
- バッテリーの寿命と交換費用
- 保証とメンテナンスサービスの確認
- 過去の事故歴や修理履歴を確認する方法
コツを押さえて、状態の良いEVを購入しましょう。
バッテリーの寿命と交換費用
EVの寿命ともいえる、バッテリーの劣化具合を確認してから購入しましょう。バッテリーは交換可能ですが、高額な費用がかかります。
そのため、中古車を購入してバッテリーを交換する場合と、新車を購入する場合の費用を比較したときに中古車のほうが高くつく可能性もあります。中古EVを購入するメリットであるコスト面も重視して購入を検討しましょう。
保証とメンテナンスサービスの確認
中古EVは部品の故障リスクがあるため、保証やメンテナンスサービスの充実度にも注目しましょう。特にバッテリーは個体や保管状態によって劣化が進むケースがあります。
保証内容によっては、無料で修理をしてくれる場合もあります。メンテナンスサービスがあれば、定期的にプロにチェックしてもらえるため故障の初期段階で気づけるでしょう。
過去の事故歴や修理履歴を確認する方法
ガソリン車と同様に、過去の事故歴や修復歴がないかは注目しましょう。修復した履歴は販売業者が必ず把握しているため、修理記録簿を見せてもらうか、販売店に問い合わせをしましょう。
修復履歴は表示が義務付けられていますし、店舗によっては、義務がない項目に対しても説明してくれます。
EVの中古についてよくある質問
EVに関してよくある質問について解説します。
- EVを買うなら自宅に充電器が必要ですか?
- 充電料金はどのくらいかかりますか?
- EVの中古はどんな人におすすめ?
それぞれ見ていきましょう。
EVを買うなら自宅に充電器が必要ですか?
自宅に充電器があると、家電感覚で充電しやすいです。戸建の場合は、工事期間は2日が目安です。1日目は現地調査、2日目は3~4時間で施工が完了します。充電設備は10~30万円程度かかりますが、自治体によっては補助金の申請ができるため、大きな出費にならない場合もあるでしょう。
充電料金はどのくらいかかりますか?
充電料金は充電する場所や電気代によっても差異があります。自宅で充電する場合にかかる金額は、0%から満充電するのに1,000~2,000円程度です。
詳しく知りたい方はこちら(EV vs ガソリン車:充電・給油コストの比較で見えるEVの経済性)をご確認ください。
EVの中古はどんな人におすすめ?
中古EVは新車EVが高くて購入をあきらめている方や、自分のライフスタイルに合っているか一定期間お試ししたい方などにおすすめです。防災意識が高く、走る蓄電池としての利用も検討している方にも向いています。、買い物や通勤などの日常使いをメインにしている人にも使いやすいでしょう。
EVの中古車は場合によってはお得
この記事では、EVを中古で買うのに向いている人やメリット・デメリットについて解説しました。買い物や通勤のような日常使いで使用する場合は、問題なく使用できるとわかりました。また、新車に比べて価格が安かったり家庭用の蓄電池として活用できたりとメリットも多いです。一方、新車とは異なり補助金が出なかったりバッテリーが劣化していたりとデメリットもありました。自分のライフスタイルと相談して中古車EVの購入を検討しましょう。