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自動車の乗り入れ禁止でサイクリング天国に、ベルギーの都市ルーヴェン
SDGS | 2022.06.29
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EUが進めるサステナブルな街づくり
EUが主体となってサステナブルを推進しているヨーロッパでは、多くの都市が「European Green Capital Award」の獲得を目指している。以前、エストニアのタリン市や、フィンランドのラハティ市が受賞したことを紹介したが、ベルギーのルーヴェン市も、この賞の獲得を目指す都市の1つである。
ベルギーのほぼ中心に位置するルーヴェン市は、地域社会の改革を最も促進した都市に送られる「European Capital of Innovation Award in 2020」を受賞。獲得した賞金の100万ユーロは、2050年までにカーボンニュートラルを実現するために投資したそうだ。
モハメド・リドゥアニ市長は「ルーヴェン市はヨーロッパで最も環境に配慮した都市になり、重要な役割を担う準備ができています」と述べているが、どのような取組みを行っているのだろうか。
Home to 171 nationalities, the historic city of Leuven in Belgium has become one of Europe’s most climate-conscious destinations.
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— Euronews Green (@euronewsgreen) June 16, 2022
「ルーヴェン2030」の発足と、カーボンニュートラルへのロードマップ
同市では2013年に「ルーヴェン2030」を発足。これはルーヴェン市、有識者、企業、市民からなるネットワークで、未来の世代のために、より環境にやさしく、クリーンな街を実現しようと取り組むものである。
2018年には、同市がカーボンニュートラルを達成するために必要なアクションを明示した「ロードマップ」を作成。このロードマップではエネルギーやモビリティ、消費、ガバナンス、資金調達、そしてモニタリングに至るまで、必要な項目が全て網羅されている。
地方選挙の直前に完成したため、投票前にカーボンニュートラルをめぐる政治的議論のパラメータを設定しただけでなく、この課題に対する市議会のスタンスにも影響を与えたという。
「私たちは、2050年より”ずっと前”にカーボンニュートラルになることを望んでいます。私たちはフォロワーではなく、フロントランナーになるのです」と、ルーヴェン2030のディレクター、カトリエン・リッケン氏は言うが、その思いは「ルーヴェン”2030″」という名称にも表れている。
抜本的なモビリティ計画の実施で、サイクリング天国に
ルーヴェン市の環境政策の中で最も成功しているのは「自動車削減計画」だろう。今ではサイクリング天国となった同市では自転車が最も好まれる交通手段であり、2位が公共交通機関、自動車は3位だという。
「かつては車でどこにでも行けましたし、どこにでも駐車できたんです。教会はロータリーになっていたし、市庁舎のすぐ前にも駐車できましたが、排気ガスで壁が真っ黒でしたね」と、リドゥアニ市長は語る。
5年前、こうした状況を一変するために抜本的なモビリティ計画を実施。街を分割し、中心部からの自動車の乗り入れを禁止する規制を行ったところ、4年後には自転車利用が40%になるという驚異的な伸びを示した。これには、ルーヴェン市がベルギー最大の学生街であることも関係しているかもしれないが、街の中心部の交通渋滞は見事になくなり、代わりに自転車のベルが響き、多くの学生たちが穏やかにおしゃべりする姿が見られるようになったという。
「European Green Capital Award」の獲得を目指して
同市では自動車の利用をさらに20%削減することを目指し、小道でも30キロの速度制限を導入しようと考えているそうだ。
他にも、年間1,000戸もの住宅改修や太陽光発電の推進、コンクリート原料の再利用促進など、カーボンニュートラル達成のためにさまざまな取組みを行っているルーヴェン市。
「この街には多くの文化や伝統があり、多くの未来があります。ルーヴェンは本当に前向きな街なのです」と、リドゥアニ市長は述べている。
Source :Leuven: This forward-thinking city has banned cars from its centre