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ジンベエザメのように獲物を捕らえる、水上ドローン「WasteShark」
SDGS | 2022.06.24
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海の生態系を破壊するゴミ
島国である日本に生きる私たちの生活は「海」とは到底切り離せない関係にある。古くは縄文時代から魚を捕り、食していたという記録も残っているほどだ。
一方で、海から多くの恩恵を受けていながら、人間が廃棄したゴミなどによって海の生態系を破壊してしまっているという現状もある。
その状況を少しでも改善しようと立ち上がったのは、オランダのRanMarine社。同社は海洋ゴミを捕捉する「水上ドローン」を開発したという。
Can these plastic-gobbling inventions keep rubbish out of the ocean? https://t.co/40tRA2QiJl
— Euronews Green (@euronewsgreen) June 17, 2022
海洋ゴミを捕捉する水上ドローン「Waste Shark」
この水上ドローンは世界最大の魚とも言われるジンベエザメをモデルにしているため「Waste Shark」と名付けられている。
このWaste SharkがDJIドローンとペアになり、海に浮かぶゴミを捕捉するのだという。
まずDJIドローンが空から廃プラやその他のゴミの位置を捉え、その位置情報を元にWaste Sharkが捕捉に向かう。そして、大きな口を開けて泳ぐことで獲物を捕らえるジンベイザメのように、幅約110cmほどの口を大きく開けて進み、獲物(ゴミ)を捕らえるのだ。一度に最大160リットルのゴミを回収することができ、連続稼働時間は最大16時間だという。
また、Waste Sharkは海洋生物に不快感を与えないよう配慮した設計になっており、効率的で長寿命。水質データの収集も可能である。
特に港湾や運河での使用を想定して開発されたWaste Sharkだが、米国海洋大気庁(NOAA)のNancy Wallace氏によると、プラスチックが広大な海に到達する前にすくい上げることが非常に重要なのだそうだ。
「プラスチックやゴミが広い海に出てから回収するのは非常に困難です。海岸近くでゴミを回収する方が簡単で低コストなのです」と、彼女は述べている。
最も重要なのは、海にゴミを捨てないこと
同社は既にこのドローンが自律的にゴミを捕捉して陸地に持ち帰る実証実験に成功しており、その他にも、世界中で海洋流出を防ぐためのさまざまな取組みが行われている。
年間800万トンともいわれている廃プラの海洋流出に対し、Waste Sharkは微力な存在かもしれないが、その抑止力の一つにはなるだろう。
「最も重要なことは、そもそも海にゴミを捨てないことです。Waste Sharkなどの機器は非常に便利ですが、消費者の立場から、あるいは業界の立場から、そもそも廃棄物を減らすという上流の解決策に取り組む必要があるのです」と、NOAAのWallace氏は述べている。
Source :These drones are swallowing tonnes of plastic waste before it reaches the ocean