国際エネルギー機関(IEA)は、2021年に世界で販売された電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の合計が前年と比べて2.2倍の660万台になったと発表した。
これは統計開始以降最大の伸び幅で、モビリティの主役がEV・PHVに入れ替わろうとしていることを示していると言えるだろう。
ちなみに地域別に見ると、もっとも伸び率が高く台数も最高となったのは中国で約330万台。1国で前年(2020年)の世界販売台数を上回ったことになる。
もちろんEV・PHVの市場を牽引し続けているヨーロッパも大きく伸びており、前年比で165%となる230万台が販売され、合計すると全世界で現在約1,650万台のEV・PHVが走っているという。
しかし、EV・PHV購入を検討しているユーザならご存知のように、今すぐに注文したとしても納車は「早くて来年」と言われる状況が続いており、「販売数」と「生産数」の間には大きな溝があるのも事実だ。
これは長く続いている半導体不足に加え、ロシアとウクライナの紛争による電池の原料調達難やCOVID-19による生産工場のロックダウンも影響しており、早急な解決はまだまだ難しそうだ。
また、日本国内に目を向けると2021年に日本で販売された自動車のうちEV・PHVは約3万台と2%台にとどまり、中国の16%、欧州の17%と比較すると、かなり小さな数字となっている。
その理由は、過去の記事でも紹介したように「航続距離」「充電時間」「充電場所不足」と、充電インフラにまつわる理由が主となっている。
実際、2021年の新車販売のうち72%と他国に対し圧倒的なEV・PHV比率を誇るノルウェーでは街中のガソリンスタンドの多くがEV充電スタンドを持ち、さらに高速道路では「100キロごとに1200口以上の急速充電器」がある。
EV・PHVの普及と充電インフラの普及、どちらが先かという問題は「鶏と卵」で簡単には断言できない課題ではあるが、日本が世界の潮流に乗るためにはインフラ整備が欠かせないのは一つの事実だろう。