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ガーナのガラス廃棄物問題に立ち向かう、国内唯一のガラス吹き職人
ART | 2022.05.16
アートで取り組む環境問題
サステナブルな社会実現のため世界ではさまざまな取組みが行われており、ユニークなものも多い。
「違法な漁業に立ち向かい、海を再生する海底彫刻美術館」では彫刻というアートを用いた取組みを紹介したが、今回はガーナ唯一のガラス職人Michael Tetteh氏の取組みについて紹介しよう。
ガーナで深刻化するガラス廃棄物問題
ガラスは天然素材で出来ているため、有害物質の心配がなく半永久的にリサイクル可能と考えられているが、それは、正しくリサイクルされてこその話。
Observatory for Economic Complexity(OEC)によると、ガーナは毎年約2億7700万ユーロのガラスとセラミック製品を輸入しているというが、ガラスのリサイクルが進まない同国においては、大半は埋立地に捨てられるか、道路に散乱し安全上の問題を引き起こしてしまっているのが現状だ。
そんな中、Tetteh氏はガラス廃棄物を用いて作品を生み出すことで、この問題に立ち向かおうとしている。
Ghana's only glassblower is on a one-man recycling mission https://t.co/JWl7NYEHGR
— Euronews Green (@euronewsgreen) April 18, 2022
ガーナ唯一のガラス吹き職人
彼が生まれたのは、ガーナの伝統的なガラスビーズ文化の中心地の一つ、オドゥマセ・クロボ。
2012年にフランスとオランダで2ヶ月間ガラス工芸を学んだ後、初めて吹きガラスに出会ったという。
帰国後は他のガラスビーズ職人たちと一緒に仕事をしながら、独学で吹きガラスの勉強を続けたそうだ。
資金不足にも屈せず、彼はインターネットの情報などを参考に廃材と粘土だけで炉を完成させた。そして、アメリカのDale Chihulyなど有名なガラス作家のYouTube動画を参考に、さらに技量を磨き続け、10年後見事に「ガラス吹き職人」として成功することができたのだ。
ガーナの伝統を、近代的で多面的な産業へ
Tetteh氏は、ガラスの過多な輸入やガラス廃棄物を減らしたいという思いから、スクラップ置き場や埋立地から回収した素材を用いてガラス製品を生み出している。
ガーナの伝統的なガラスビーズ製造を近代的で多面的な産業へと発展させ、他国からガラスを輸入する必要のないガーナを思い描いているのだ。
Tetteh氏は今現在、オドゥマセ・クロボの若いアシスタントを何人か雇って訓練している。彼らがいつか自分の工房を運営することを望んでいるそうだ。
「ガーナの若者たちが男女問わずにこの仕事のプロとして技術を身につけ、ガーナを発展させることを願っています。ガーナで使用する材料を外国に買いに行くことはありません。ガーナにあるものを使い、この国を美しくしたいのです」と、彼は述べている。
Source :Ghana’s only glassblower is turning TVs and windows into artistic wonders