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私たちを悩ませる、スマートフォン画面のひび割れ問題
スマートフォンを落として、画面に傷がついたりひび割れてしまった経験はないだろうか?
そんな時、多くの人はお店で修理してもらうか、買い替えを検討するだろう。
どちらにせよ時間とコストがかかるものだが、数年前この問題を解決する斬新なアイデアがMotorola(Motorola Mobility)から発表されたという。
ひび割れを自己修復できるスマートフォン
アメリカの通信機器開発製造会社Motorolaは、世界で初めて携帯電話を販売した会社だ。
同社はスマートフォン画面の素材に「shape memory polymer(形状記憶ポリマー)」を使用し、自己修復機能を備えた画面の特許を取得したという。
Motorola filed a patent for a self-healing phone display. The #CircularDesign includes a “shape memory polymer”. https://t.co/aPBxJ39AIE pic.twitter.com/Ny7NtJMTeY
— CircularEconomy Club (@CircularEClub) March 19, 2019
通常スマートフォン画面の素材はガラスだが、これは熱を加えると形状がもとに戻るという形状記憶ポリマーの特性を利用したもの。
利用者は傷やひび割れに気づいたら、アプリを起動して「修理する」ボタンをタップするだけ。スマートフォンは自動的にひび割れを検知して修復モードに入る。そして、自ら機器内部の熱で温め、修復することができるのだという。
今はまだ特許を取得したという段階だが、もしこの技術が実用化されれば、修理や買い替えに必要な時間とコストを削減できるだけでなく、当たり前だと思っていた短期間での使い捨ての習慣が変わることにもなるかもしれない。
電子廃棄物を減らし、地球資源を守ることにも
短期間での使い捨て、買い替えの習慣が抑制されれば、電子廃棄物の削減にも繋がるだろう。
また、スマートフォンなどのデバイス製造に使用される、多くの希少鉱物(アルミやコバルトなど)の節約にもなるだろう。
スマートフォン業界に詳しいITアナリストのGary Cook氏は「常に新しいモデルを求める人々は、たった2年ほどで新しいデバイスに買い替えることも珍しくない。そのために携帯電話会社も常に新しいデバイスを作り続けているが、これはサステナブルではない」と指摘している。
自己修復機能を持つスマートフォンの実現は、電子廃棄物を減らすことや、地球資源温存の面でも大きな利点があるのだ。
「壊れたら買い替える」の前にできること
この新素材「形状記憶ポリマー」を使用した画面の実用化にはまだ時間がかかるようだ。また、サステナビリティについて判断できるほど十分な情報がないという専門家もいる。
一方で、この新素材の実用化を待たずとも、長持ちする製品を普及させるために企業が今すぐできることもたくさんあるという。
「まずは専門的な工具がなくても、自分で修理できるスマートフォンを設計することが最初のステップになるだろう」と、Cook氏は言う。
スマートフォンを始めとするさまざまなデバイスは、壊れたら新しいものに買い替えるのが当たり前、という人も少なくないだろう。しかし、簡単に修理できる選択肢がいくつもあることで、長く使い続けたいと考える人も増えるはずだ。
そしてそれは、デバイスそのものはもとより、地球資源を大切にすることにも繋がるだろう。
SOURCE: Welcome to the future, where your phone can fix its own smashed screen