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リオデジャネイロの川をきれいにする、とある男性の活動

ミクロのレベルにまで及ぶプラスチック汚染の影響

世界中で深刻になっているゴミ問題。特に生分解性を持たないプラスチックは川や海にまで流出し、水質汚染だけでなく、そこに生息する生物の生態系にも大きな影響を及ぼしている。

例えばブラジル・リオデジャネイロでは、「美しい島」として知られるカガラス諸島周辺で採取されたウニでさえ、その内部にプラスチックの痕跡があることが判明。
プラスチック汚染の影響は今やミクロのレベルまで及んでおり、懸念していたよりもはるかに深刻であることが生物学者たちによって指摘されている。

そんな中、リオデジャネイロに住む、とある一人の男性が「川に浮かぶゴミ」だけで水上ハウスを作っているという。
一体何のためなのだろうか。

ゴミで作った水上ハウスで、水をきれいに

ブラジルでは毎年200万トン以上ものゴミが川や海に捨てられているそうだ。
アーティストであり哲学者でもある
Luiz Fernando Barreto氏は、パヴナ川がゴミと下水で覆われているのを見て、この状況を少しでも改善したいと考え、水上ハウスを作り始めたのだという。

パヴナ川は、ブラジルで2番目に広いグアナバラ湾に繋がる川の1つだが、このグアナバラ湾は周辺地域の下水処理率が低い上、大量のゴミが廃棄されていることで有名で、地元生物学者から「巨大なトイレ」と呼ばれる程の汚染状態にあるという。

Barreto氏は水上ハウスから、汚れたパヴナ川の水をすくい上げてゴミを濾過し、きれいになった水を川に戻すという取組みを行なっている。地道で気の遠くなるような作業だが、彼は言う。

「地球上に本当に価値のあるものがあるとすれば、それはダイヤモンドでも金でもありません。水は昔から、そしてこれからもずっと価値がある。水がなければ、生命は存在しないのです」

地道な活動を続けることで、環境問題に立ち向かう

そしてこの水上ハウスには、もう1つ重要な目的がある。
それは、政治家に環境問題に関心をもってもらうこと。

また、この水上ハウスが世界的に話題になり、有名なGreta Thunberg氏のような環境活動家が訪ねてきてくれることも期待しているそうだ。

「Greta氏にグアナバラ湾をきれいにするのを手伝ってほしい」と、彼は言う。

Barreto氏の行動は、世界、いや広いグアナバラ湾にとってごく小さなことかもしれないが、こうした地道な活動を続けていくことでしか、本当の意味で環境問題に立ち向かうことはできないのではないだろうか。


Source :This floating home made entirely from rubbish is cleaning up Rio de Janeiro

 

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TEXT:
倉若太一 ( Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。企業・利益中心の開発はいかがなものかと疑問を持ち始めました。いつまでもあると思うな親・金・資源。

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