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バナナに当たる「光」-バナナと光から生まれる再生可能エネルギー

ENERGY | 2022.04.14

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バナナに当たる「光」-バナナと光から生まれる再生可能エネルギー

よく食べる果物ナンバーワンのバナナ

そのまま食べても、ミックスジュースなどにしても美味しいバナナ。
手軽に購入できて栄養価も高いバナナは、2005年から2021年まで17年連続でよく食べる果物1位になっているそうだ。

そんなバナナに今、別の角度からも「光」が当たっている。
なんでも「ある方法」を用いることで、バナナの皮を瞬時にバイオマスに変換できることが分かったというのだ。

バナナの皮に「光」を当てることで、エネルギーを生成

バナナの皮をバイオマスに変換する方法は、物理的に「光」を当てることだという。

そのカギとなるのは、明るい白色光を発する「キセノンランプ」。
写真スタジオで使用されているような、明るい照明をイメージすると分かり易いかもしれない。
この白色光を1回照射すると、わずか数ミリ秒で、バナナの皮をバイオマスに変換することができるのだという。

これは「光熱分解」という方法によるものだが、その手順は至って簡単。
まず、バナナの皮を100℃前後で24時間乾燥させる。そして粉砕してふるいにかけ、微粉末にする。その後、化学反応を促進するためのステンレス製の装置に入れ、キセノンランプの光を照射するだけ。
こうして生成された天然バイオマスがガスと炭に分解され、水素エネルギーを生み出すことができるのだ。

「乾燥したバナナの皮1kgあたり、約100リットルの水素と330gのバイオ炭を生成することができます」と、研究者の一人、ローザンヌ連邦工科大学のBhawna Nagar博士は述べている。

具体的な数字に置き換えると、日本で年間に輸入されているバナナ(約100万トン)の皮をすべてこの方法で処理したら、1,000万リットルの水素と33トンのバイオ炭が生産できることになる計算だ。
この量の水素があれば、水素自動車は地球を40周できる。それだけのエネルギーを「捨てている」と思うと、私たちも何かをしなければならないと感じるのは自然なことだろう。

バナナ以外にも広がる可能性

この方法は、とうもろこしの穂軸、コーヒー豆、ココナッツの殻などでも有効だそうだ。
また、スケールアップすれば、タイヤなどの産業廃棄物に適用することも可能だという。
さらに、いずれは、太陽光を利用した光熱分解の道を開くこともできるかもしれない。

いずれにしても、今後バイオマスからの水素エネルギー供給を増加させる、重要な方法になるだろう。

「我々の研究の意義は、何年にもわたって大気中に蓄積されてきた二酸化炭素を間接的に回収していることにあるのです」と、Nagar博士は述べている。


Source :Blasting bananas with light could pave the way for more ‘eco-friendly’ biomass

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TEXT:
倉若太一 ( Instagram )

PLUGO JOURNALニュースライター。企業・利益中心の開発はいかがなものかと疑問を持ち始めました。いつまでもあると思うな親・金・資源。

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