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個人的な話で恐縮だが、つい先日、仕事に使っているMacを買い替えた。
以前に使っていたものは2016年製のデスクトップマシンで、新しいものは最新型のラップトップだ。新しい電子機器はいつだって快適なものだが、不便になったと感じることも多い。その代表的なものが、購入後のカスタマイズ性の低さである。
私の古いデスクトップマシンもそうだったように、一昔前までコンピュータは購入後にユーザのニーズに応じてメモリを追加したり、キーボードを換装したり、新しいユニットを導入して機能を追加したりできたものだが、ここ数年の新しいコンピュータは設計が緻密すぎてそういった余地を残していない。
故障を自分で修理するなんて、もってのほかだ。
高まる「修理する権利」への要求
ところで「修理する権利」という言葉をご存知だろうか。
先ほども書いたように、最近の電子機器はサイズと機能のコンクリフトが原因であまりに設計が緻密なため、修理が必要になった場合はメーカーに送り、保証期間が切れていれば高額な修理代金が必要となる。その上、「修理」ではなく「交換」されることが一般的だ。
そして、その対応にも期限があり数年も経つと「修理(交換)不能」とされて新しく買い替えなくてはならない。
しかし、ユーザは購入した電子機器を自分で修理し、長く使う権利があるはずだと考える人は多くいて、そういった人々が主張しているのが「修理する権利」である。
Google純正スマホの修理・分解キットが発売
そんな要求に応えたのが、Google純正のスマホ「Pixel」シリーズと電子機器の分解・修理を行なうスタートアップ「iFixit」だ。
提供されるのは、上図のような修理・分解キットで、交換用部品をGoogleから購入できる仕組みになる予定だそうだ。また、iFixitによるマニュアルも付属するという。
電子機器を長く使ってサステナブルな暮らしを
廃棄される電子機器には多くの希少鉱物が含まれており、それを指して「都市鉱山」という言葉があるほど、資源としての価値が高い。
しかし、それらを適切に回収・リサイクルする仕組みは十分と言えず、実際にはユーザによってただ廃棄されていることがほとんどだろう。
であれば、修理しながら長く使うほうがずっとサステナブルで地球にも優しい。もちろん、買い替えよりもコストが低いので私たちの生活にとっても良いことのはずだ。
こうして「修理する権利」が少しずつ叶えられていくことは、これからのハイテク業界にとって重要なステップとなるだろう。
SOURCE : Coming soon: More ways to repair your Pixel phone